第2話

Syota Y
272
2019/02/26 06:44
安田「付き合ってくれる?」
『え?』
...いきなりすぎて固まる私。
付き合うってその恋愛感情のことじゃないよね?きっと
あぁどっか一緒に来てみたいなやつだ
『どこに?』
安田「...あ、えっとそうやなぁ」
そういって安田くんが取り出したのは2枚の紙切れ
安田「ここ」



パステルカラーの空間


色とりどりのスイーツ


そう、安田くんにつれてこられた場所はスイーツバイキングのお店だった
安田「ほら、あなたちゃんも食べ?」
『何で私と?』
安田「だって男一人でスイパラとかきついやん」
確かに。
周りを見渡すと女子しかいない
でも
『安田くんだったら平気なんじゃない?笑』
安田「何やそれ笑」
安田くんはちょっと笑ってから続ける
安田「それよりあなたちゃん勝手につれてっちゃったけど予定とかなかった?」
『いや...』
予定なんてない。
予定がある友達もいない。
何て苦い人生
急に自分の人生がつまらないものに感じてきた
安田くんの前でなくわけいかないし
『私っスイーツとってくるね』
そういってその場を離れたから私はそのあと安田くんが何をいってたか何て知らなかった
(安田「俺やて男やし...」)







甘酸っぱいレモンのタルト
バニラの香るシュークリーム
見てたら私も少しだけテンション上がってきた
 



安田「そういえばさぁ」
安田「さっきの名簿整理って」
イチゴのタルトを頬張ってた安田くんが聞いてきた
安田「Aさんが先生に頼まれてたやつやんな?何であなたちゃんがやっとったん?」
『それは...』
...思い出した。確かAさんって安田くんのこと...
何かこの前の休み時間に
女子A「安田くんと付き合いたいー」
女子B「え?あんた彼氏いるじゃんw」
女子A「でも安田くんにこくられたら別れるしかないっしょ」
女子B「確かにw」
みたいな会話してたよーな...
絶対Aちゃんに頼まれたとか言わない方がいいパターンだよね!?
『私が!私が変わろっかっていったの!』
安田「Aに?あなたちゃんが?」
...あ、やっちゃったかも
安田くんが急に真顔になった
安田「Aに押し付けられたんちゃうん?」
『私から言ったんだって』
安田「やってA、さっき...」
(女子A「名簿整理とかだるっ。あ、そうだ委員長に押し付けちゃお」)
安田「あなたちゃんは良い子やからAのこと守ろうとか思って嘘ついたんやんやろうけど」
安田「そんなんほんとの友達ちゃうと思うで?」
『...』
Aちゃんがそんなこと思ってたってのもショックだったけれど
それ以上に安田くんのことばがショックで
さっきこらえてた涙がまた戻ってきてとどめなく溢れだした
『...安田くんみたいにいっつも友達に囲まれてる子には分からないよね、形だけでも友達って言われて、頼られるのが嬉しいわたしの気持ちなんか』
『...もうこんな苦いだけの人生なんてやめちゃいたいな...』
安田(席たつ)
...やばい安田くんひいたよね、どっか行っちゃったし
泣き止もうとしてるのに止まらない涙
しばらくたって安田くんが戻ってきた。
安田「はい。」
『?』
安田「これ食べて落ち着き?」
安田くんが差し出したのはイチゴのショートケーキ
『...何で?』
安田「このお店のショートケーキおいしいんやで?」
やっぱ安田くんとの会話って何かちょっとだけずれてる気がする
いつのまにか涙も止まってショートケーキを口に運ぶ
『...美味しい』
安田「...やろ?」
ちっちゃい頃ここのショートケーキ大好きすぎて従兄弟の兄ちゃんにイチゴとられただけでないてたわ...そんな思い出話をしながら笑う安田くんにつられて
わたしも笑顔になっていた
安田「...ようやく笑ったな、あなたちゃん」
安田「あなたちゃん、確かに人生苦いことばっかやと思うで?俺もあるもんいっぱい」
安田「そんなときやからこそ、このショートケーキみたいな甘いお菓子を食べて、明日も頑張ることが大切なんちゃう?」
『でも友達ってどうやって作れば良いのか分かんなくなっちゃった』
安田「...なら俺がなったる」
『...え?ほんとに?安田くんが友達になってくれるの?』
驚いてそう聞くと安田くんは少し考えて言った
安田「やっぱやだ」
『え?』
安田「彼氏がいい」
そう安田くんはわたしの目をのぞきんこんで言った
いきなりの告白に戸惑う私
...と、急に感じる周囲の視線
わっよく考えたらここスイパラじゃん
まわりに筒抜けじゃん
二人とも急に恥ずかしくなって急いで店の外に出た
安田「あなたちゃん。僕と付き合ってください」
店を出て改めて言われた言葉に今度は嬉し涙が溢れてくる
安田「わっまた泣くん?」
安田「もう泣き虫やなぁ笑」
その直後、私は安田くんの腕の中にいた
安田「ずっとそばにおってくれへん?」
安田「返事は?」
『...うんっ』







苦い苦い私の人生に
突然現れた
あなたは
カラフルなチョコレートや
甘酸っぱいレモンのタルトや
優しいバニラの香るシュークリームや
甘い甘いイチゴのショートケーキよりも
甘いお菓子をくれる。
✨素敵な奇跡になる✨
end












おまけ 「帰り道」
安田「それにしてもあなたちゃんあそこまで鈍感とはなー」
『え?』
安田「付き合うって普通どっかに行くことやと思う?」
『違ったの?』
安田「ちゃうわ、何なら名簿整理手伝ったのもわざとやわ」
『え?大倉くんは?』
安田「先帰れって頼んだのは俺」
安田「まあ「言われなくても今日デートやし」って帰ってったけど」
『ふふっ』
安田「あ、こら!笑うなや!」
『安田くんフラれちゃったね笑』
ふざけてそう言うと安田くんは急にいたずらがおで言った
安田くん「あなたはずっとそばにいてくれるんやろ?ならええわ笑」
『... ///』
安田「あと「安田くん」も禁止なー章大って呼んでや」
...どうやら私が安田くん(...章大)に勝てる日はまだまだ遠いようです




🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹

てなわけで全然短編になりませんでしたが章ちゃん編でした
皆さん何の曲かわかりましたかね...?
今回の最後の方とかかなりヒントなはず!
正解は!
「Sweet Parade」
という曲です!
知ってるかたいるかな?
シングル「応答セヨ」のカップリング曲です
知らないかたは是非聴いてみて
でもう一回小説読んでみてください笑
最後まんまです笑
個人的に大好きな曲のひとつなんですが
私の中では何故か章ちゃんイメージが強い感じなんですよね...(なんでかな?)
また文中に出てくるヤスくんのショートケーキのイチゴとっちゃう従兄弟のお兄ちゃん
えいたーさんならもうあの人しかいない!ってなりますよね?
はい、そーですあの人です
とか、
ヤスくんの親友として出てた彼女もちのおーくらくんの話とかも書きたいと思ってます
ではではまた次回!

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