第50話

痂⑤ 神山智洋
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2018/12/31 07:32
あなた

聞いて!智洋

神ちゃん
神ちゃん
うるさい!聞きたくないっ、
どうせ俺のことバカにするんやろ?
気味悪がるんやろ...
智洋は今まで理解されなかったことに怒りを覚えていた

"人と違うことの何がいけないん?"
"人を愛することの何がおかしいん?"

しかし、傷ついてしまうのも怖かった。
だから今まで良い旦那を演じてきたのだった。
あなた

私はどんな智洋でも、大好きだよ。

予想外の言葉に智洋は目を丸くした。
神ちゃん
神ちゃん
...そん、なわけないっ。
こんな俺の事なんか嫌に決まってる!!
智洋は一瞬信じてしまいそうになった自分を消すように力いっぱい叫ぶ
はやく出ていってくれないと...
あなた

ごめんなさいっ...

神ちゃん
神ちゃん
...は?
あなたは俯きながらそう言った。
あなた

私、智洋のこと、全部知ってたの

あなたは全て話した。
親友を殺したことを知っていること、
復讐しようとしていたこと、
濵田との関係のことも。
神ちゃん
神ちゃん
お前、ふざけんな!!!
そこまで聞いて智洋は怒り狂った。
拳を振り上げてあなたの頬に力強くぶつけた
神ちゃん
神ちゃん
...っ
しかしあなたは笑っていた。
微笑んでいた。
神ちゃん
神ちゃん
笑ってる...
あなた

怒るのも当然だよね...ごめんね。
ごめんね...。

何故謝るのか、わからない...
何故笑うのか、わからない...
あなた

でもね。
私、それでも智洋が好きだよ
愛してるんだよ

力なく微笑んだあなたの右頬が、
徐々に熱を帯びていった。
神ちゃん
神ちゃん
嘘だ...
また俺を騙そうとしてるんやろ??
あなた

もう嘘なんて吐かないよ、智洋

智洋は、もう涙を流すあなたを信じるしかなかった。
神ちゃん
神ちゃん
あなたっ、好き!大好き!
あなた

私もだよ...!

2人は強く抱き合った。
神ちゃん
神ちゃん
あなた





───一生一緒にいよな♡




翌日、約束の時間になっても来ないあなたを心配した濵田が家を訪ねると、ベッドの上で生まれたままの姿で抱き合って眠っている
微笑んだ2つの死体があった。

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