第4話

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605
2020/06/06 07:48









「カ、カイくん…!」







後ろを振り向くと、目鼻立ちがはっきりしてる、校内でも指折りの美少年が立っていた。







その美貌は私の学年でも噂になるほど。








ふわっとした雰囲気とペンギンの形のリュックが印象的だ。








でも、話しかけたこともないのになぜ私の名前を…







「あの…なんで私の名前を、」







カイ「…あ、そうだった!初対面でしたね!」








カイ「僕、よくヨンジュン先輩からあなた先輩の話聞いてて」








…私の話?








カイ「あなた先輩の顔だけは知ってました!」







「私の話ってどんな…?」








カイくんが若干目を泳がせた。







カイ「え、えぇーと…」







カイ「色々、ですかね?笑」








なんだそりゃ。







そんなこと言われると余計気になるでしょうが。








カイ「ま、まあこの話はまた今度にしましょう!」








「えぇ〜…」








カイ「それより、あなた先輩は何してたんですか?」








カイ「そんなところで立って…」








そう言いながらカイくんは私の手の中を覗き込んだ。








カイ「…大変じゃないですか!!イヤフォン濡れちゃってて!」







カイ「はやk」








「これ、私のじゃないんだよね」







「多分、ヨンジュンの…」








カイ「…え?」








カイ「…あなた先輩、ヨンジュン先輩のイヤフォン落としたんですか?」







私は頷いた。







「本当にヨンジュンのイヤフォンかどうかは分からないけど…」








「もしヨンジュンのだったら怒るかなぁ…」







カイ「うーん…」








カイ「そのイヤフォン、防水だといいですね…」







眉毛を八の字にしてイヤフォンの心配するカイくん。








流石だ。可愛い。








だが、これ以上人の事で心配させるのも申し訳なかったので気持ちを切り替えることにした。








「まあ、まだ分からないから心配しても仕方ないよね、」








「歩こ!」








カイ「はい…!」









…と、歩き始めたのはいいものの、特に話題もなく、しばらくの間沈黙が続いた。








すると、カイくんが口を開いた。









カイ「…あなた先輩のことだったら、ヨンジュン先輩許してくれると思いますよ」









「…それ、どういうこと?」









カイ「…いや!あの!!」








カイ「特に意味はないです!励ましのつもりで!」








へへっ、と笑いながらカイくんは頭を搔く。










「…そうかぁ」











カイくんが本当に言いたかったことがわからないまま、学校に着いてしまった。


















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