第11話

💙
567
2020/06/21 06:18










カーテンの隙間から眩しい光が差し込む。









部屋は蒸し暑く、肌には汗が滲んでいた。









ゆっくりと身体を起こすと、カレンダーを見た。








___赤い丸。









そう、今日は"特別な"日だった。









「…よし」









いつもの何倍か速く身だしなみを整え、台所へと向かう。









スビンは昨日帰ってくるのが遅かったからまだ寝ているのだろうか。









…と思っていたその時。









ギュッ









「ひゃっ、」









スビン「…あなた、おはよ」









背後から長い手が伸び、私を抱きしめた。









スビンの体温がじんわりと伝わってくる。










「…急にどうしたのよ」









スビン「今日ヨンジュンくんとデートでしょ?」









「なんで知ってるの…デートじゃないし。」









スビン「…そっか」









スビン「ちょっと寂しくなっただけ」









いや、そんな嫁に行くわけでもないんだし。








「私早くご飯食べないと」









スビン「先に準備しておいたから食べといてね」









「う、うん」









予想通り、パンが皿の上に2、3枚積まれていた。









スビン「そんな嫌な顔しないでよ〜」









スビン「パンも体にいいんだよ?」









さっきの雰囲気はどこへ行っちゃったのか。









切り替えの早さに驚いた。









「いただきます…」









黙ってパンを頬張る。









そんな私を見つめるスビン。









寝ぼけているのかな。









スビン「…あなた」









「ん?」









スビン「その…ヨンジュンくんと遊びに行くのは全然いいんだけど」









スビン「くれぐれも…変なことしないでね」










「変なこと…?」








急に俯いて何を言い出すのかと思ったら。










スビン「エロいこと…」








「…はぃ?!」









下ネタがもともと苦手だったスビンは耳を赤くして言った。
↑(実際どうかはわかりません。ちなみに、下ネタが苦手な男性は見たことがありません。)










スビン「…ほらさ、お泊まりとかはしないでね?ってこと」









スビン「ヨンジュンくんもお年頃だから変なことされると大変だし、」









スビン「あなたに赤ちゃんがでk」









「だ、大丈夫だから!!」










「ヨンジュンはそんなことするような人じゃないし、」









「…私のこと、女として見てないから!」










なんでそんなこと言っちゃったのだろう。










言ったあとから後悔した。









「…心配ありがとね」









「もう行かないと」









立ち上がって歯を磨きに行く。









よし、これでもう行ける。









玄関へと向かって靴を履く。








スビン「一緒に行こうか?」









「子供じゃないから結構です」









スビン「…冷たいねぇ」










いじけた顔をしたスビンに構ってあげる余裕はない。









そさくさと私は家を出た。























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