ー...なよ.........あなたの名前はゅ.........
......あなたは...私たちのたからものよ.........ー
頭が痛い。
なんの夢かわからないけど誰かに名前を呼ばれた。
でも、自分の名前なのかわからない。
「あら、起きた?」
誰かが声をかけてきた。
「ここはどこですか?」
「病院よ。見てわかるでしょ。」
白い服をきた女の人がそう言った。
「び...びょういん?」
「あなた、学校のトイレで意識失くして倒れてたんだって」
がっこう...といれ...いしき...たおれる...
「がっこうってなんですか?びょういんってなんですか?」
「えっ.........?」
「......わたしは...だれ?」
この後、先生という人が私のことを色々調べた。
すると私は記憶喪失というものになっていた。
かろうじて、言葉は喋れるが、今の私の頭は幼稚園生以下。
記憶を戻せるかもわからない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!