前の話
一覧へ
僕の名前は、翡翠零。
小説を書くのが趣味な高2。
今日も1人、朝早くから教室で書いていた。
「んー、やっぱり、朝書くのはいいなぁ。
って、うわぁ!」
窓を開けていたので、風が吹いて原稿が飛んでいってしまった。
近くで足音がする。早く拾わなくちゃ…
「あと1枚…」
残りの1枚がなくて、探し回る。
「すっげぇ…」
目の前には、クラス1のイケメン、綾間碧くん。
僕の小説を読んでいた。
「これ、零くんが書いたの?」
キラキラした視線をむけられ、戸惑う。
「そ、そうですけど…誰にも、言わないでくださいね…?」
恐る恐るいうと、いっそう目を輝かせた。
「こんなの書けるのすごいね!冒頭部分から興味を惹かれたよ!でも、なんで他の人に言われたくないの?」
「あ、ありがとうございます。他の人にバレたら、馬鹿にされるので…」
綾間くんは不思議そうにしてたけど、
「わかった。言われたくないこと、誰にでもあるもんね。」
そう言ってくれた。
「ありがとうございます!」
僕がそう言うと、綾間くんは笑った。
「なんで敬語なの?w
同じクラスのクラスメートなんだから、タメ語で話そうよw」
「あ、そうだった。ごめんなさい…」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。