前の話
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ヒュウッと凶一郎兄さんの鋼蜘蛛が私の体と、お義父さん(?)に巻きつく
二人ともニッと笑うと、凶一郎兄さんが鋼蜘蛛を巧みに操り私を自分の方へ引き寄せ、お姫様抱っこと呼ばれるものをした、目を開けると、お義父さん(?)はいなくなっていた
ふわっ、と舞い上がる「桜の指輪」
凶一郎兄さんは片手で取り、ため息をついてから
と、言い、私をおろした
庭の森から出ると
なんだこの状況はと思った、四怨姉さんと二刃姉さんと嫌五兄さんが六美を守り、獣のように暴れる太陽を辛三さんとゴリアテと七悪で抑えてる
こんな状況の時何を言っているんだこの長男
六美がそう言った時、二刃姉さんが見たこともないような形相で凶一郎兄さんを睨んだ
そうこうしていると
と言い、三人の拘束をといた
しかし、凶一郎兄さんが再び太陽の動きを止める
ガポッと、太陽に四怨姉さんのつけていたヘッドフォンをはめる
そう言いながら四怨姉さんのヘッドフォンの音量を最大にしていく
と、凶一郎兄さんが言うと
「「「「「なっ...」」」」」
凶一郎兄さんと太陽と六美と、私以外が声をあげた
辛そうな顔をしている六美、それを擁護するように
と、二刃姉さんが言うが
そう言う凶一郎兄さんは説得力が1ミリもなかった、なんせ六美のグッズで身を纏っているからだ
意を決めたように、スッとマイクを口に持ってくる六美、六美の歌を普通に聴こうとしていた私は
と、辛三さんに呼ばれ、みんなのいる方へ行った
二刃姉さんがゴリアテ、私が二刃姉さん、私を嫌五兄さん、嫌五兄さんを四怨姉さん、四怨姉さんを辛三さん、辛三さんを七悪、と、みんなで耳を塞いだ
次の瞬間
ぼえ〜
と、六美の歌声が聴こえた
私はそこで意識を手放した
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。