屋内のイルミネーションが
1番の目玉だと書いてあった、この場所。
中に入ると。雑誌で見るより何倍も、圧巻だった。
キラキラと煌めく世界に、私の目も輝く。
横に立とうとしない彼を、手招きして。
こんなに凄い光景なのに、いつも通り。
ころちゃんを尻目に、スマホを取り出した。
他人から見たら、凄い忙しく動く人に見えると思う。
でも、そのくらい。ここに2人で来れた事が嬉しくて。
1枚でも多く思い出を写真に残したくて。
ーパシャ。パシャパシャパシャパシャパシャ。
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ.....
撮影をした。
今の音は絶対連写だと言う彼に反論して。場所を移動する。
イルミネーションを楽しみつつ、
ご飯やスイーツを食べられるカフェ。
この場所に来れたら、絶対に行きたいと思っていたのだ。
思ったより、早く叶えて貰ってしまった。
私の熱の入った説明を聞いて優しく笑った、ころちゃん。
メニュー表を見ながら聞かれて、
即座に指を指して答えた。
生クリームたっぷり、プリンとスイーツもたっぷり。
上のブリュレを崩してから食べると言う
私の心をくすぐるスイーツだ。
その量の多さに、顔を顰めた彼。
女子の甘い物好きをナメては行けないと笑うと。
あの禁断のワードが聞こえたので、即座に封印に入る。
この笑い方をすれば、分かるはずだ。
案の定、それ以上何も言わない。
彼の顔の前で親指と人差し指を使い。0マークを作る。
変な事を言っているのは、自分が1番良く分かっている。
だからこそ、否定して欲しくない。
どうかそれを理解して欲しいと、
今だけ。ころちゃんの常識を無理やり変えた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。