週が明けた、月曜日。
いつも通り、ころちゃんと一緒に登校して来た私は。
土曜の事を思い出し、小さく微笑んでいた。
思い出したのは。
あのパフェを私が食べている時の、その表情。
オムライスを食べる手を止め、苦笑いをしていた。
甘い物を前にしても、沢山食べたいと思わないなんて。
私も今日からスイーツを少しずつ減らして見よう!と
決意した、その時。
5秒も立たない内に、へし折られた。
結局、誘惑に負けて食べてしまう。
そんな私を我慢するなと甘やかす彼女は。
典型的な、人には優しく自分には厳しくタイプだ。
きっと自己管理もしっかりしているのだろう。
制服のスカートから伸びるスラッとした足が証明していて。
その上、性格も良いと言う
私の親友には、勿体ないくらいの女の子。
他校に居る綾の先輩彼氏がベタ惚れなのも、頷ける。
大好きだよー!と言って、抱きつこうとすると。
少し顔の引きつった綾が私を止めた。
その指先を辿ると。
...まあ。とてもお見せ出来ないほど怖い顔をした彼が。
非常に不機嫌な声をしていて。
訳が分からない。
謎の禁止事項に戸惑う私の横で、
綾は、また。1人だけ分かった顔をして。
この状況を楽しむように、笑っていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。