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第14話

第13話 ころんside
ぎこちない雰囲気のまま、雅を家まで送り届けて。
この間のように玄関で反省会は辞めようと
自室で部屋着に着替えながら、呟く。
ころん
ころん
...最低だな、僕
自分が安心したいからって。
雅の言いにくい事を、引き出そうとした。
ころん
ころん
これだから、いつまで経っても
勝てないんだよな、"兄貴"に
顔を上げて、棚の上の写真を手に取る。
ころん
ころん
しばらく見てなかったな...
埃を被り、少し古びたその写真の中には
幼い日の僕と雅、そして僕の兄貴が写っている。
ころん
ころん
(この時にはもう、僕は雅を
好きだったんだっけ)
懐かしく思いながら、あの頃の事を思い出す。
ころん
ころん
(純粋で、好きも嫌いも分からなくて)
ころん
ころん
(嫌な考えも浮かんで来なくて。
一生懸命、恋してた)
毎日が楽しいで溢れていて、心から笑えた日々。
ーでも。
ころん
ころん
(あの日を境に、全部変わった)
蘇るのは、苦くて暗い記憶。
ころん
ころん
.......思い出さないように、してたんだけどな
次第に大きくなる救急車のサイレン。
雅を守るように抱き締めたまま、地面に倒れた兄貴。
その動かなくなった腕の中で泣いていた雅と
何も出来なかった自分。
ころん
ころん
(もし、あの日雅を助けていたのが
僕だったら。雅はー...)
僕を好きになってくれていたのかもしれない。
そんな最悪で、甘すぎる考えにゾッとする。
ころん
ころん
(何言ってんだよ、僕。
"兄貴"を犠牲にした癖に)
ーそう。
兄貴は結局病院に運ばれたが間に合わず。
小学6年生で、短すぎる人生を終えた。
担当医曰く。即死だった、そう知らされたけれど。
ころん
ころん
(雅は今もあの日の事を...
自分のせいだと思ってる)
口にこそ出さないが、悔やんでいる。誰よりも。
ころん
ころん
(あの時僕は...雅に何をしてあげられた?)
居眠り運転のトラックが横断歩道に突っ込んで来て、
遅れて渡って来た雅に迫ったあの瞬間。
ころん
ころん
(何も、出来なかっただろ)
飛び出して行った兄貴に抱え込まれ、雅は助かった。
それを見ている事しか出来なかった自分を、
彼女が好きになるはずない。そう分かっているのに。
ころん
ころん
...それでも望んじゃうんだよな、
有り得ない展開を
彼女が見ているのは。その瞳に映るのは。
ころん
ころん
(ー僕じゃない)
改めてそう考えると、泣きそうになった。
その辺にいるかもしれない兄貴に呟く。
ころん
ころん
ー兄貴。感謝はしてるよ。でも、もう
ころん
ころん
そろそろ、僕に雅を譲ってよ
彼女の真ん中に居座るのはもう辞めてくれと。
1番で居続けないで欲しいと頼むけど。
それを決められるのは、雅の意志だけ、そう思ったら。
ころん
ころん
(ヒーローになった兄貴と、
何もしなかった自分、か。
勝てる訳ねぇじゃん)
到底勝ち目なんてないと、自嘲気味に笑った。