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第26話

第25話 ころんside
諦める為に必要な、儀式だった。
ころん
ころん
.........................待っ.....
僕を勢いよく突き飛ばし、涙で潤む瞳で睨みつけ。
走り去って行くその背中に手を伸ばしたけれど。
ころん
ころん
.........(今の自分に、
追いかける資格なんて無い)
行き場を無くした手が、力なく落ちる。
例えるなら彼女は、永遠に手が届く事のない1番星。
自分勝手な欲望は粉々に打ち砕いて、土に返した方が良い。
ころん
ころん
(叶わない夢なんて見ちゃいけない。
...分かってたのに)
ずっと、ずっと、ずっと。
恋心を抱き始めたあの日から、彼女が見ているのが
自分ではなく兄だと分かったあの日から、ずっと。
自分に言い聞かせて来たのに。
ころん
ころん
(どうしても...ダメだった。
諦められなかった)
ただ、好きなのだ。どうしようもない程。
多分、この想いは死ぬまで続く。
もし彼女が先に死んだとしても、続いてしまう。
それならば、いっそ、軽蔑されれば良い。
明るく振り返らない主義だと言った雅の事だから、
流星群のように、目の前から消えるだろう。
音すら立てず、瞬きするより早く。
まるで、初めから自分の隣にいなかったみたいに。
ころん
ころん
(誰よりも大切にしたかったはずなのに...
傷つける事になるなんて)
想いは空回り、追いかけて謝る事も、もう出来ない。
きっと彼女はもう、僕の声はおろか。
顔すら見たくないだろうから。
__僕が突然こんな行動を起こしたのには訳がある。
ころん
ころん
(兄貴に勝てない自分を変えるつもりが...
結局、雅を巻き込んだ。)
いつまで経っても彼女の1番を譲ろうとしない
兄貴に腹が立って、悔しくて。
無理矢理にでも奪おうとした事は否定出来ない。
ころん
ころん
(.......でも)
誰よりも雅を愛し、愛されたい。
誰よりも沢山、雅の表情を見たい。
ころん
ころん
(そう望んでしまうのは...
本当に間違った事?)
例え彼女もまた、叶わない恋をしていて。
僕の事を見る事なんて、
絶対に無いと分かっていても。
ころん
ころん
.........っ、雅!!
追いかけて、叫ぶ。
ころん
ころん
お前が誰かを好きでいても!僕は!
ずっと変わらない想いを。
ころん
ころん
ずっとずっと、、好きでいるから!
やっぱり諦められないと言う声を。
雅
.......ころ、ちゃん...
ゆっくりと立ち止まり...振り返る彼女と目が合って。
雅
.........................ごめんね
すぐに伏せられたその眼差しから、
この恋は本当に叶う事が無いのだと悟って。
ころん
ころん
(分かってたけど、辛いな...)
また逃げるように走って行った彼女を、
滲む視界の中で、見送る。
今度はもう、しばらく。その場から動けなかった。