1週間入院をしてから1ヶ月が経った。
だいたい予想はしていた。
このあたりでこうなってしまうことは。
ただ、本当に切なくて、悔しくて、
心が追いつけてないみたい。
そう言って泣きつく私を、
うんうん。そうだよね。
って優しく言って撫でてくれる。
オッパも、複雑な気持ちのはずなのに、
私のことを気遣ってくれる。
家を出ると、
いつも手を握ってるから、なんだか寂しくなった。
けど、オッパが車椅子を押してくれてるから、
いつもより、早く進んで風が心地いい。
普通に話しながら登校してると、
私の姿を見て最初は驚いたものの、
いつも通りに接してくれるオッパ達。
4人で登校する。
教室まで送ってくと言うオッパに、
そこまではいいって止めるけど、
送ってくの一点張りでさすがに申し訳ないと困ってると、
そっか。ウォヌはオッパ達と部が一緒だから
仲いいんだ。
オッパ達と別れてウォヌが車椅子を押してくれる。
教室へ行くと、どうしたの?
と、心配してくれる友達がたくさんいる。
大丈夫ー?と心配してもらって、
なんか申し訳ない気持ちになってると、
助け舟を出してくれた。
そう言ってジュンが話をそらしてくれて助かった。
せっかくジュンが話逸らしてくれたのに、
スニョンが話戻しちゃったら意味ないじゃん!
またジフンが話を変えて、、、
って、この2人、さっきから何?
私の心を読んでるみたいに
コロコロと話題を変えてるんだけど、
え?私のこと知ってんの、
今いる中で、ウォヌだけのはず、なんだけど。
でも、いつかは言わないといけない日が来るもんね。
結局バレるんなら、言ってもいいのかもしれない。
ただ、スニョンには、言えない。
どうして?なんで?
スニョンを傷つけたくないからだ。
スニョンのことが好きだから、傷つけるのが怖いんだ。
でも、このままスニョンとお別れなんかできない。
私、スニョンを傷つけないために、
スニョンと距離を取らないと。
俺が押すー!
そう言い、押してくれる君の手には、
まだまだ暖かさを感じた。
まだ、死んじゃダメなんだと感じた。
どうすることもできないまま、
体が病に食べられていくスピードは
心が追いつくよりもずっと速かった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。