毎日1時間おきに連絡
彼以外の男性の連絡先は消去
8時までには帰宅
もうこんな生活には懲り懲り。
“思いっきり遊びたい”
そう思った時には、高校生時代の友達に連絡をとっていた。
『あなた久しぶり〜!!!!!』
「久しぶり!」
『急に飲まないかって、彼氏となんかあった?』
「あー…うん、ちょっとね笑」
へへ、と誤魔化してテーブルの上のジョッキに注がれたビールを一気飲みした。
『すごい飲みっぷり笑』
「っぷはぁ〜、超うまい!!」
『‥あ!そういえば、高校のときイツメンだったボムギュ!覚えてる?』
モワモワ〜と頭の中に浮かんだのは、いつもちょっかいを出してきて、でも優しくてカッコイイ男子。
「あーーうんうん、覚えてる覚えてる」
『さっき電話して呼んだから、そろそろ来ると思う』
「‥えっ…‥‥‥‥‥マジ?」
『なんかまずかった?』
いやいやまずいも何も、こいつ私がボムギュと付き合ってたの覚えてないの…?
気まずいじゃん絶対気まずくなるじゃん。
『あっ!きたきた』
恐る恐る後ろを振り返れば、あの頃より少し大人っぽくなったボムギュの姿。
🐻「…よ、」
「…‥‥‥‥久しぶり、、」
『呼び出してそうそう悪いんだけど、私そろそろ帰んなきゃなんだよね』
はあん!?!?!?!?!?!?
「なんで…」
『彼氏からのお呼び出し〜♡』
『ってことで、二人で仲良く飲んで〜♡』
彼氏かよ…‥‥‥‥
呼んでおいて無責任なやつめ…‥‥‥()
‥
🐻「…元気にしてた?」
「えっ、あ、‥うん。」
🐻「‥大学入ってから急に連絡取れなくなったから、どうしてたのかなって」
「‥ごめん。彼氏以外の男性の連絡先は全部消されちゃったから。」
🐻「彼氏、いるんだ‥‥」
きまりが悪そうな顔をして、ビールを飲むボムギュ。
「ボムギュは‥?彼女とか、いるの?」
🐻「‥今はいない」
🐻「‥‥あなたと別れたあと、何人かと付き合ってみたんだけど、なんか‥続かなくて。」
苦笑いをしながら、ジョッキを見つめて言うボムギュに、なんだか懐かしさを感じた。
付き合ってた頃は、将来こんな会話をしてるなんて思ってもなかっただろうな。
そんな懐かしさに気を取られていたら、ボムギュの顔が、後5cmもあればキスができる距離まで近付いてきていた。
「…‥‥どうしたの‥?」
🐻「‥‥‥‥‥‥俺、まだあなたのこと好き。」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!