あなたside
どうも、皆さん。彰のボケにそろそろツッコむのも、面倒くさくなってきた、あなたです。
皆さんは最近どうですか?元気に頑張ってますか?
私は元気です。今も元気に走ってます!
・・・路地裏を。
なんで、路地裏なんか走っているんでしょうねー。私、走って、先程買った特売の玉子が割れないか心配です。
なら、歩けばいい?
いやね、状況的に歩けないんですよ。
路地裏で鬼ごっこしてるんですよね~。
鬼はね、ポトマの芥川さんの黒獣です!
そうです!私は今、命がけの鬼ごっこをしています!
私のむなしい叫び声が路地裏に響いた。
時間は数十分前に遡る。
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数十分前
アルバイトも終わり、スーパーで特売で買った玉子を片手に歩いていた。
スーパーの特売を狙ってくる奥様方が怖かった。
あの時の主婦は怖いとは聞いていたけど、あれ程とは・・・
オモイダスダケデ、コワイ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
ふと、視界に入った自分の髪を見て、空を見上げた。
そして、近道のために路地裏に入った。
この時の私はこの後に命がけの鬼ごっこが始まるなんて、考えてもいなかった。
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路地裏をしばらく歩いていると、
不思議な匂いがした。
なんの匂いだったけ?普段はあまり嗅ぐことがなくて、なんか、怪我したときに嗅ぐような、鉄の匂い・・・
考えながら歩いていて、ある考えが浮かんだ。
もし、その考えが合っていたら・・・
ヤバイ、戻らないと!!!!
そして、来た道を戻ろうとしたが、
ガッ、コケッ
ビシャ
何かに躓いて転けて、水溜まりの中に倒れてしまった。
・・・水溜まり?今日は雨なんて降ってないぞ・・・
ま、まさか・・・
倒れた体を起こし、自分の手を見れば、
手が真っ赤に染まっていた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!