あなたside
目の前に映っているのが砂色の外套って?
う~ん、嫌な予感がする・・・
チンピラが私を助けてくれた人と言い争いをしている。
嘘でしょ、コイツら。
私のせいだっていうわけ?
うわっ、サイテー。女のせいにするなんて男の屑だ。
図星を付かれたからか、そう言ってチンピラはこちらを殴ろうとしたが、まわりに人が多いことを思い出したのか手は上げてこず、
と、いかにも逃げ台詞を言いながら、走り去っていった。
もう二度と絡んでくんな!
うん。そうだよね。知ってた。
・・・おーーーーーーーい!!?!!?!?
なんで楽しい休日にメインキャラと遭遇するの!?!!?
そりょあね、砂色の外套でなんとなくは予想できてたけどね!
けどさ、思い出してよ!私たちはこの世界にトリップする前に宣言したよ!
推しを会いまくる!モブとして!
と・・・
皆さん、気がつきましたか?
そう!私たちはモブとして推しに会いたいだけで、こんな頻繁に会わなくていいわけ!なんならもう、陰からソッと見ておきたいわけ!
こんな頻繁に会おうと思ってもないんじゃーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
あ、彰の推しは、鏡花ちゃんと芥川さんだよー。
私がそんなことを頭のなかで考えていて黙っていたので、太宰さんに心配されてしまった。
優しいね(棒)
改めて太宰さんにお礼を言ってその場から離れようとしたが、
ガッシリと手首を掴まれたので未遂に終わりました。
チクショウ(。>д<)
私はできるだけ感情が表情に出ないように、平然とした態度をした。
うん、自分でも思う。態度わるっ。
それにしても、この後の展開だよね。
・・・なんとなく予想はつくけど
は~い。予想通りの答えをどうもありがとう。あなたは期待を裏切らないね!
それよりもそろそろ首が痛い。155cmが181cmを見上げるのは少々、いや、だいぶきつい。
屈んでくれないかな・・・
太宰さんはこれまた綺麗な微笑みしています。推してる人たち見たら発狂するだろうな。
そう聞こえたと同時に太宰さんと私の間に人が入ってきて、太宰さんと距離がとれた。
離れられて少しホッとしています。
それよりも、
.
私は割り入ってきた人にそう問いかけた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。