第3話

No.2
432
2021/05/15 16:25
中学生になる頃には私には“感情”というものがなかった。

最初はみんな話しかけてきた。
でも、会話が全然繋がらないためか、私から話しかけないせいか、すぐに1人になった。

話しかけてくれる子もいなくなったけど、私は悲しいとも寂しいとも思わなかった。
クラスメイト
あの子いつも1人よね
クラスメイト
そうだよね!
クラスメイト
1人が好きなんじゃないの?w
私をネタにグループが作られていく。

出来たグループで私をいじめてくる。
高校生になっても変わらない学校生活になるかと思ってた。
??
お前!!
あなた
……はい?
??
俺コネシマ!!お前は?
あなた
えと……あなた
コネシマ
よろしくな!あなた!!
言葉だけの「よろしく」だと思ってた。
だから私も、
あなた
よろしく……
と言った。

彼はとても人気者だった。
いつも彼の周りには人がいっぱい居て、彼の友達だと思われる人たちがいた。
だから私にはもう話しかけてこないと思った。

でも私の予想は外れてしまった。
コネシマ
あなたー!
あなた
ん?
コネシマ
一緒に帰ろうや!
あなた
やだ
コネシマ
あなたあなた!!!
あなた
……?
コネシマ
わっ!!!
あなた
……
あなた
わー?
コネシマ
わざとらしく驚くのやめてや……
あなた
ごめん…
驚いた方がいいのかなって思って…
コネシマ
ww……あーはっはっはっは!!!!
あなた
ビクッ
コネシマ
お前おもろいなぁ!!!
気に入ったわ!
そう言って無邪気に笑う彼に、
いつも話しかけてくる彼に、
ちょっと期待してしまった。

彼なら私を“助けてくれる”かなって。
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