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第11話

エピローグ
377
2018/02/08 09:42
3月14日。

オレは墓地にやってきた。

あいつの墓石の前にしゃがみ込み、話しかける。
悠燈(はるひ)
……チョコ、ありがとな。これ、お返しだ
綺麗な花が供えてある隣に、コン、と縦長の箱を置く。
悠燈(はるひ)
ネックレスだ。お前に似合いそうな……
視界がじんわりと滲んできて、一度唇を閉ざした。

そして再び開く。

今度は一つ一つ、言葉を、思いを紡ぐように。
悠燈(はるひ)
……なァ、あなた。オレは今でもお前が好きだ。
お前といたこと、一緒に笑ったこと、絶対忘れねェから
だから、とオレは続ける。

小刻みに震える泣きそうな唇を、小さく微笑ませて。


悠燈(はるひ)
いつか、“そっち”で会ったら……また、笑顔見せてくれよ

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