過去
トコトコ
私はいつもどうり家に帰ろうとしていた
何もかも考えたくなくて真っ直ぐ走り続けた
私の目からは涙が出ていて
冷たい夜風に当たりながらワンワン泣いた
そして次の日から
学校中に私の噂が流れた
「彼氏に媚を売りすぎて捨てられた女」
そして
泣き叫んで訴えた
私が気絶しそうになった時
そう言って愛する人の声が聞こえた
あ、間違えた
好きだった人の声が聞こえた
そこで私の意識は途絶えたの
ギュ
ユンギヒョンがあなたを抱きしめた
こんな時でも嫉妬してしまう俺が嫌だ
そっか…
俺達がきちんと家に帰っとけば怖い思いをすることもなかったんだよね
ごめんね
それから俺達は病室を出た
ヒョン達は先に帰った
俺はあなたの側に居たい
あなたの病室のドアを開けようとすると
あなたは泣いていた
やはり無理をしたんだろう
俺達に罪悪感を募らせないように
必死に涙を堪えていたんだろう
それがあなたの優しさなんだ
バタン!
ギュ
あ〜!!
今日は幸せな日!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!