空に手をのばす

まだまだ足りない

柵は高くて越えられないし

空にも全然届かない

はぁあ、とため息をついて柵に体重をかけて

地面を見る

ここから見ると近いような気もしてならない


大介「死んじゃダメだ！！！」


ガバッと抱きつかれて

その間2人で尻もちをつく


大介「ばかっ！ばかっ！！なにやってんのっ！」


怒られつつも

私は過去の事を思い出していた

初めて助けてくれた日のこと

あの日も、死のうとしてたんだよな


「っ、はは･･･っ」


大介「笑い事じゃ･･･！」


ボロボロ涙が溢れだしてきて

私って本当に弱いなぁと思う


「なんで生き残っちゃうんだろうね」


空に向かって言った

何でだろうね


大介「それは、あなたに生きていて欲しいって思っている人がいるからだよ」


目の前の大介もボロボロと泣いて

優しく私を抱きしめた


大介「やっぱ、うさぎって寂しいと死んじゃうんだよ」


耳元でそう言った


「うさぎって気性荒いんだよ」


大介「知ってるよ」


「警戒心強いし」


大介「うん」


「･･･寂しがり屋、だし」


大介「でもかわいいじゃん」


大介は優しい目で私を見た


大介「寂しいって思わせないよ」


その一言で思った

私はもう籠の中の寂しいうさぎじゃないんだって





























『アウトサイダー』    -  fin  -