俺はあの出来事があってから前よりも一生懸命に生きていた。
仕事もしていた。時々、親といる子供を見ると…
胸がいたくなった。
『甘えるな』と自分に言い聞かせ続けた。
でも、限界は直ぐに来た。
鬼になりたかった。もう何もかもが辛くなった。苦しくなった。嫌になった。
鬼なら苦労もない。
なりかたはわからなかった。
ある日方法を探しながら迷っているとある人に会った。
その人は人間ではなかった。
「どうしたのだ?」
酒「鬼になりたい…から…」
「では我が鬼にしてやろう」
酒「え?あなたは…?」
そういった時にはもうすでに俺は鬼になっていた。
酒「本当に鬼になったのか?」
「そうだ」
「じゃあ、またな 強くなりたければ人を食え」
酒「あぁ」
酒「お前の名前は!」
「我か?我はな……」
「"鬼神"だ」
鬼神「鬼がりを殺せ」
そう言い残して鬼神は消えていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。