翌朝、
ヨンジュンと私は支度を済ませ、家を出た。
どこに行くか決めてないノープランデート。
計画しないのも面白いんだよ?
ヨンジュンを手招きして、
私の家の向かい側にあるお花屋さんに向かう。
まだ、9時になる前なのにすでに開店している。
お店の前に並んでいるお花たちの横を通り、
お店の中に入ると、私は声を出した。
ヨンジュンはボムギュオッパのお母さんに
丁寧な挨拶をした。
やっぱり好青年だわ。間違いない。
あと、訂正するのも段々慣れてきちゃった。
私は知っている。
知ってるからな、ボムギュオッパ。
オッパの机の端っこに映画のチケットがあったことを!
しかも、面白そうなやつ!!!
それをヨンジュンとのデートに
使わせてもらうからなっ!!!
ヨンジュンがこっちに来て
自分から何かやりたいなんて言うの初めてじゃない?
私はヨンジュンを連れて
ボムギュオッパの部屋がある二階に向かう。
私の推測が正しければ……………。
ボムギュオッパはヨンジュンのこと知ってるはず。
それで二人は感動的な再会を………
いや待て待て。
たしか一週間以上自分が生まれた世界じゃない
ところで過ごせば記憶は消えるんだった。
ってことは、
もしボムギュオッパがヨンジュン達と
小さい頃一緒に過ごしていたとしても
既にボムギュオッパは記憶が無いのか。
でも、ヨンジュンは記憶があるんだよね。
スビンは覚えてたわけだし。
なら……………、
ヨンジュンの反応を見れば
事の真相は分かるってわけか。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!