第35話

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2021/08/12 13:15
ヨンジュンに言いたいことが言い終わり、

また、静かに私の家へと歩く。















(なまえ)
あなた
あ、ヨンジュナ。あれ、
ヨンジュン
ヨンジュン
どれ?
(なまえ)
あなた
あれあれ!
ヨンジュン
ヨンジュン
??








夜中であるのにもかかわらず

明かりが灯っている一軒家を指差す。









(なまえ)
あなた
あれ、私んちだよ。
ヨンジュン
ヨンジュン
へ〜!










こんな時間まで電気が点いてるなんて……。

お母さん、心配してるんだろうな。

喧嘩したとはいえ、何も連絡しないで

一日以上家に帰らないなんて事して………。

ちゃんと、謝らないと。






家の玄関の前まで来ると、

私はヨンジュンに声をかけた。








(なまえ)
あなた
ヨンジュナ、ちょっとだけ待ってて。
(なまえ)
あなた
私、お母さんに最初、謝らなくちゃいけないから。
ヨンジュン
ヨンジュン
うん。分かった。











鍵、開いてるかな。














(((ガチャ












あ、開いてた…………。

良かった。












(なまえ)
あなた
ただいま…………












久しぶりの家。

自分が悪いことをしたって分かっているから、

" ただいま "の声は無意識に小さくなった。











それでも、お母さんに

この小さな声は届いたらしい。











リビングから慌てたように、

携帯を握りしめたお母さんが出てきた。








お母さん
あなたっ!!!
(なまえ)
あなた
お、お母さん………
お母さん
あんた、どこ行ってたの!?
お母さん
連絡もしないでっ!!!




そういえばスマホ、

自分の部屋に置きっぱだった………。

鬼の形相をしたお母さんは、

まだまだ私に問い詰める。
















お母さん
捜索願いも出そうかと思ったのよ!?
(なまえ)
あなた
ごめんなさい……….。







私は、頭を下げた。

今まで、お母さんに向かって

こんなに気持ちを込めて

頭を下げたことはなかった。










そんな私を見て、お母さんは言葉を止める。

そして、すぐに抱きしめられた。











あったかい……………。











家族の絆が肌で感じられた瞬間だった。















お母さん
本当に………心配したんだからねッ。
(なまえ)
あなた
ッ…………うん、ごめんなさいッ。

















お母さんが泣くのは、久しぶりに見た。

お母さんを泣かせるなんて。

私は、バカ娘だ。












      




お母さん
すぐに帰ってきて良かったッ。
(なまえ)
あなた
…………























5日ってそんなにすぐか…………?


















(なまえ)
あなた
あ、お母さん。
お母さん
なに?
 







一旦体を離し、お母さんに話を持ちかける。

もちろん、ヨンジュンの話をね。




















(なまえ)
あなた
実は………………

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