第67話

過去へ
316
2021/09/14 22:20
ザァー
雨が降っていた
そこに、傘を指した男の子が1人
歩いていた
千冬
千冬
…やな雨だな
バシャバシャ
あなた

うわーーーーー!

千冬
千冬
ん?なんだ?
あなた

千冬ぅぅう!!

あなたが走って千冬の方に近づいてくる
あなた

入れて入れて

千冬
千冬
あなたさん傘忘れたんすか?
あなた

そう、忘れちゃって走ってたんだけど、千冬いたからほんとに助かったよ!

あなたはずぶ濡れになっていたが、笑顔で話した
千冬
千冬
…風邪引きますよ
あなた

早く帰れば問題ないよっ

そう言って2人は歩き出した
あなた

千冬、傘こっちにやりすぎ、濡れるよ?

千冬
千冬
気にしないでください、オレは大丈夫ッスから
あなた

知ってる?相合傘した時に、肩が多く濡れてる方が惚れてるんだってよ

千冬のさり気ない優しさに嬉しくなりながらもちょっと意地悪したくなった
千冬
千冬
はっ!?いや、別にそういう訳じゃ…
あなた

え、照れてる?遊びやすいなー千冬は

千冬
千冬
からかわないでください
そうして騒ぎながら公園の前を通り掛かった時
あなた

あれ?ねぇ千冬

千冬
千冬
?なんすか
あなた

あれ

あなたがそう言って指さした方向に、タイヤを殴っているタケミチの姿があった
タケミチ
タケミチ
くっそ負けねぇぞ!
バスん
千冬
千冬
何やってんだオマエ?
ビクゥウ
タケミチ
タケミチ
千冬!?あなたさん!?な、なんでここに
千冬
千冬
なんでって、おれはオマエんち行こうとしてたとこに、あなたさんが、走って来たんだ
あなた

傘忘れちゃってー

えへへと頭をかいた
千冬
千冬
で、帰ってたらあなたさんが1人でタイヤと戦ってるアホを見つけた
タケミチ
タケミチ
くっ
千冬
千冬
この雨の中タイヤと喋るのはちょっとキモすぎるぞお前
あなた

ぶぶっ

あなたは吹き出した
タケミチ
タケミチ
うっせぇ!!
タケミチは顔を赤くしながら言った
タケミチ
タケミチ
オレは忙しいんだ!遊んでる暇はねぇ!
そう言ってまたタイヤを殴り始めた
タケミチ
タケミチ
誰よりも強くなってやるんだ
強くなんねぇと未来は変えられねぇ!
千冬
千冬
え、お前…未来のタケミっちか?
あなた

みらい?

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