第48話

七楽家の事情その3(回想)
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2021/08/22 22:10
あなた

ただいま〜

あなたは学校帰り、歌舞伎町通りにある事務所へと訪れた
当時あなた13歳
千麒
千麒
あなた、外に出てくるよ
あなた

えええ、ママになんて言えばいいのー?

あなたはしかめっ面で問いかける
千麒
千麒
…んー、ご飯はいらないよー、って?
あなた

はぁ、わかったよ

ガチャ
そのとき、一人の男が入ってきた
あなた

あ、お兄さん今日も来たの?

あなたは入ってきた男をボーッと見ていた
半間
半間
ッハハ、あなたもきてんじゃん
千麒
千麒
今日は帰りなさいあなた
千麒が焦っているのを見てあなたは不思議に思った
半間
半間
今日は鍛えなくていいのか?あなたは全然成長してねーぞ、まぁいいけど、話はついたんすかー?あんまり遅いと、力ずくで…って言ってましたよー、あの人
ニコッと笑った
千麒
千麒
わかってる…話をつけるから、待ってくれ
そう、あなたはココ最近事務所に訪れるようになった半間に喧嘩の仕方、彼いわく『護身術にもなりますよ』ということで、半間と手合わせしていた
あなたは当然『歌舞伎町の死神』にはかなわないでいた
千麒
千麒
あなた、もう帰りなさい
あなた

…はーい

あんまりいい話をして無さそうだと悟るあなただった
半間
半間
あなた、お前もいつまでも弱いまんまだと、俺が飽きてくる
あなた

はぁ??言われなくてもすぐ越してやるから待ってろこのノッポ野郎

あなたはべーっと舌を出して出ていった
半間
半間
無邪気だなぁ
大人の汚い部分なんか見た事ねぇ顔だ
千麒
千麒
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あなた

ただいまぁー

当時住んでいたのはボロアパートだった

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