第68話

過去
312
2021/09/14 22:21
あなた

へぇー、未来のタケミチか。なるほどねー、ひなを救うため…か

タケミチ
タケミチ
はい、千冬にだけ話してて…
千冬
千冬
あんま動じないんすね
あなた

ん?え、なんか、ありえない話ほど信じてみたいじゃん?それに、もし本当でその協力者になったらなんか、かっこよくない?

千冬
千冬
…はぁ…呑気なもんすね……でもみんな…死んでたのか…しかもマイキー君に殺された
タケミチ
タケミチ
だから、強くなるんだ、オレ
そう言ってタイヤを殴り続けるタケミチ
千冬
千冬
やめろよタケミっち!そんな拳痛めつけて壊したら強くなるも何もねぇぞ!?
タケミチ
タケミチ
たくさん考えたよ!過去で何をすればいい未来が訪れるか!みんなが救えるか!
あなた

かっこいいね…

バスんっ
バスん
ガッ
千冬はタケミチを投げ飛ばした
千冬
千冬
いい加減にしろよタケミっち
タケミチ
タケミチ
…なんもわかんなかった、みんなをどうやって救えばいいのか…千冬ぅぅう
辛ぇよぉおお
しんどいよぉおお
さっきの威勢とは打って代わりタケミチは泣き出した
千冬
千冬
きっつい未来だったんだな
あなた

…タケミチ

千冬
千冬
でもさ、オレは正直嬉しいよ
タケミチ
タケミチ
え?
千冬
千冬
だってまた会えたじゃん
そう言って千冬は笑った
千冬
千冬
オレ、何をすればいいかわかった気がする
タケミチ
タケミチ
…え
千冬
千冬
マイキー君をぶっ飛ばす
千冬
千冬
マイキー君は強すぎるから本気でぶつかってくれる奴がいなかったんだよ
そして、本気でぶつかれるやつはきっと、オレらしか居なくね?
タケミチ
タケミチ
っ…
タケミチ
タケミチ
タケミチは思い出したようにあなたの顔を見た
あなた

ん?

タケミチ
タケミチ
あなたさん!
あなた

なに?

タケミチ
タケミチ
オレ、未来のあなたさんに伝言頼まれたんでした
あなた

未来の…わたし…

タケミチ
タケミチ
あなたさんが死ぬ前…オレに『マイキー君をちゃんと叱ってあげて、怖がらずに』って、『約束破った』って
あなた

そっか、未来の私は、約束守れなかったのか…

タケミチ
タケミチ
あなたさんは、未来できっとマイキー君を止められなかったんだ…止めたくても…
あなた

……未来の私は弱っちいな…よしっ、私もぶっ飛ばすの参加!千冬!

千冬
千冬
当たり前じゃないっすか、あなたさん
あなた

あなたは千冬をまじまじと見つめた
千冬
千冬
あなた

千冬、タケミチ…タメでいいよ!なんか敬語嫌だな、壁作っちゃう

 あなたはあはは、とおどけた
千冬
千冬
…うっす!
タケミチ
タケミチ
いいんすか?
あなた

いいよいいよ!さん付けなんかいらない!

タケミチ
タケミチ
…わかった!
千冬
千冬
よし、マイキー君をぶっ飛ばすぞ!
『おおー!!』
3人は元気に拳を上げた
もう雨もやんでいた

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