第64話

フィリピン
332
2021/09/03 22:36
タケミチが目的地に着く前
ボロボロの大きい建物に、2人の影があった
あなた

来るかな…タケミチ

マイキー
マイキー
手紙、出してくれたんだよね?
あなた

ちゃんと住所も書いたよ

マイキー
マイキー
じゃあ、来るよ
あなた

…うん、そうね

あなた

でも、会ってどうするの?マイキー…

マイキー
マイキー
そうだね、何から話そう…
カチャ
そう言ってあなたに銃を構えた
あなた

さほどあなたは驚いていないようだった
あなた

…いつか、こうなるのは目に見えてたんだよね

マイキー
マイキー
…もう、全て終わらせたいんだ
あなたに銃を向けたまま静かに言った
あなた

こうなるの、予期してた時は全然怖くなかった…でも、いざ向けられると、こんなに怖いんだね

あなたは震える手を隠しながら言った
マイキー
マイキー
ここまでついてきてくれて、ありがとうな
マイキーは少しだけ微笑んだ
あなたは…顔を上げ、マイキーを見た
あなた

(ニヤッ)誰が、大人しく死んであげるなんて言った?

マイキー
マイキー
マイキーの顔から笑みが消えた
あなた

ずっとマイキーの殺しに付き合った…その中で何度も止めようと思った…でも、私にタケミチみたいな、正義感は、止める勇気は出なかった

あなたは覚悟を決めマイキーの方へ走り出した
ダッ
あなた

でも、最後まで向き合うよ!死ぬ覚悟なんて…とっくに出来てるっ!

あなたはマイキーに向かって拳を振った
マイキー
マイキー
マイキーは軽々と避けた
マイキー
マイキー
っ、邪魔するなら、容赦はしない
マイキーはあなたの空をきった腕を掴み、壁のほうへと投げつけた
ドンッ
あなた

っぐ……

あなたはおもいっきり背中を壁にぶつけた
あなた

ったぁ

ザッ   ザッ
マイキーはあなたの方へ歩いてきた
あなた

マイキー
マイキー
あなた……
マイキーはあなたの額に銃を構える
あなた

あなたはマイキーを見つめた
あなた

マイキー
マイキー
あなた…お別れだ
あなた

っぐ

あなたは撃たれる寸前にマイキーの銃を避けようと動いた
しかし、弾の方が速かった
不幸なことに胸の部分に貫通した
あなた

っう…

あなたの顔がガクッと下に下がった
その時
タケミチ
タケミチ
マイキー君…?

プリ小説オーディオドラマ