時間は正午.
野田が作った昼ごはんのおかずにラップをして,
冷蔵庫に入れる
西崎はどうやら今は仮眠をとっているよう
睡眠時間がまったくとれていなかったためにソファで寝ているらしい
「遅刻する」と足早に出ていく2人
桑原は西崎の元へ,布団をかけに寄る
布団をかける時にひらっと見えた腹部はアザまみれで,
痛々しい傷や内出血に見るのも辛い
食事もろくにとっていないなら飢え死んでもおかしくなかった.
彼女を拾ってきた分,自分たちがいい子に育てようと
安全な環境で育てようと.
収入も一応入ってはいるから学費も払える
西崎の父が押し付けてきた場合は通報しかない
ぬくぬくと暖かい家で育ってきた俺らとは違うんだ と
哀れに思えて仕方がなかったらしい
頭がおかしくなるくらいに考えてしまうのがクセな桑原
深く考えすぎないように心がけているらしい
「彰さん…」と目を擦りながら眠そうに起き上がる西崎
桑原はすぐに「起こしちゃった?」と声をかける
二度寝をしようとまた布団にもぐる
今度こそ,とキッチンに足音をたてぬように移動し,
おかずのラップをはがしてレンジで温める
”西崎 あなたってどこかで聞いたことあるような.“
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。