_________家の前に誰かいる
昼食後、西崎はずっと違和感を感じ取っていた
明らかにおかしい と.
……そう
家の前に立ち尽くすのは、「黒ずくめ」で「筋肉質」で
「身長170」ほど
すべて桑原達の言っていた人物と特徴がマッチしている
背後の声掛けに振り返る
知らぬうちに桑原がこちらを不思議そうに見つめて立っていた
チラッと窓の方に目を向けると,先程の父親らしき人はいなくなっていた
…タイミングよく逃げたか
少し憎らしく思えた
ササッと身支度をした後に,
「じゃあね」とふらふら手を振りながら去っていく
…徒歩?電車?
よく分からないがそれはまぁ置いておいて.
容姿としては父親にとても似ていた
ただこの世の中,
姿形が似ている人というのは世界に何百人もいるだろう
…謎だ
考えても答えは導き出せないと考え,すぐに開き直る
──どうせいつかは連れ戻されるし.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。