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そして、桑原は西崎と出くわした後に家へ一直線に向かった。
とにかく早く、伝えたかったのだ
西崎の言っていたことを。
息を切らして帰ってきた桑原に武田と野田はすぐに駆け寄った
そしてリビングで一息つき、案の定話を切り出すとこの反応だ。
野田はまるで気を抜いた時に背後から肩を叩かれたよう。
机をドンッと叩いて椅子から立ち上がった時、
机の上に置いていたコップやらも一瞬宙を浮いた。
武田も驚き気味だったが冷静で、混乱している野田を止める
まだカッと目を見開いている野田の圧力には気圧されそうになる
野田はようやっと自分が取り乱しすぎていることに気づいたのか、
一度顔を伏せて改めて訊いた。
今度は武田が目を見開く
が、すぐにまた冷静になった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!