前の話
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数々の事件を解決に導いた昭和のホームズごと赤坂三郎。
そんな姿を見て過ごした孫の朝井叶、いつしかおじいちゃんに憧れを抱き始めた。
知恵はあんまりないが諦めない気持ちは人一倍。中学生の時に知り合った結城美佳子と一緒探偵チームを組んで活動をしていた。
叶:おはよう!
美佳子:おはよう、かなえ。今日も元気だね。
叶:でしょう。今日の占いランキングで「今日、運命の一日にあるかも」って書いてあったし。気合が入るもんだ。
美佳子:かもって、それ大丈夫かい?
叶:大丈夫!
美佳子:声大きいって。
叶:ごめん、みかこちゃん。けど、小学校の頃からお世話になっている占いコーナーなんだよ。的中率はかなり高いし。私が保証するよ。
美佳子:それが心配なんだけどね……
美佳子:あっ、そうだ。今日転向生が来るって聞いた?
叶:そうなの。その転向生を探偵チームに入れよう。
美佳子:いきなりだな。
叶:きっと転校生が私の運命の人なんだよ。
ガラガラガラと教室のドアが開く音がした。低身長の女性の先生が入って来た。
本当に見た目は小学生なのに、私たちより年上だなんて……不思議だよな。
先生:おはよう。みなさん、今日は転校生を紹介します。
ざわめくクラス。
先生:静かにして。入って来て。羽田野くん。
羽田野:石川県の霧島高校から来ました、羽田野渉です。
部活は帰宅部でした。よろしくお願いします。
先生:朝井。隣が空いているから案内してあげて。
叶:はい。
先生:では、このまま授業始めるよ。
羽田野:さっき、教科書を見せてくれえて、ありがとう。
叶:「困っている人が居たら手を差し伸べる」じいちゃんが私に教えたことなんだ。
美佳子:さすが朝井家だな。あっ、私は結城美佳子。よろしくね。
羽田野:よろしく。
美佳子:そんな事より、羽田野は彼女とかいたりする?
叶:羽田野くん困っている、みかこちゃん。
羽田野:いないよ。
叶:以外にも返事がはやかった。
美佳子:ザ・モデルみたいな姿しているのに……もったいない。
羽田野:ありがとう。結城さんもモデルみたいに綺麗ですよ。朝井もアイドルみたいでかわいいですよ。
美佳子:嬉しいね、叶。これってまさか……
叶:きっとそうだよ、みかこちゃん。
羽田野:ん。
叶:私とみかこちゃんが独自に活動している探偵チームに入ってくれせんか?
美佳子:えっ、そっちなの!
羽田野:お誘いは嬉しいが遠慮するは。
叶:そんな……羽田野くんは運命人じゃないの。
二時間目のチャイムがなる
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。