第4話

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2022/07/30 12:51






放課後の保健室には部活着の生徒2人のみ


ぽんぽん …




「あの…全然大丈夫デス ヨ。」


「ダメだ。あんな勢いで当たったんだ処置しないとダメだろう」


「でも…」



「でもじゃない」








澤村 「自分の身体を大切にしてくれ。…な?」


あなた 「ひゃい…。」





ち、近いです…近いんです澤村先輩ッッ

そんなに近いと心臓に悪いんですよぉぉぉぉ!!
























何故こんな


「放課後の保健室…先輩と2人で…♡」


なんて題名が付きそうなシチュエーションにあるのか…!!

それは約15分前のこと!!






















私が用事を終わらせて体育館に急いで向かっていた時に起きた……







あなた 「やば…!! 意外と時間かかっちゃった…もう1年生来てるよね…!?」




廊下は走ると怒られるので(それでも)小走りで急ぐ







うわぁぁ…初日に遅刻なんて1年生に顔向けできないよぉぉ!!






体育館の扉を目の前にそんなことを考える


やっと着いた…そう思った瞬間






「危ないッッ!! あなた!」


「…あッッ!!」


そう叫ぶ先輩の声と少し幼い焦る声が聞こえた


あなた 「へ、?」


目の前には猛スピードで私に向かうバレーボール



あなた 「(あ、終わった)」




バァァァンンン!!
















菅原side




影山と日向が勝負を始めて 本気で止めずに見ていたのが悪かった




日向が返し損ねたボールがすごい勢いで体育館の入口に向かう



空気の入れ替えの為開けている扉の外には用事があるので遅れると言っていたあなたの姿



用事が終わったのだろう 向かってくるボールを見てポカンとしている




澤村 「危ないッッ!! あなた!」



大地がそう叫んで少し焦った表情を見せたあなただけど ボールを避ける間もなく顔面に直撃してしまった






菅原 「あなた!!」


急いで駆け寄る





澤村 「……」


菅原 「…大地 …どう?」




澤村 「大丈夫。 ちょっと目眩が起きてるだけだ。」




真っ先に駆け寄った大地の顔は強ばっていて

背を向けながら答えたその声は低く




菅原 「(やっば…キレてる)」





田中も分かったのだろう ひぃぃとも言いそうな顔で俺と大地を交互に見ている



影山と日向も凄くオロオロしているが 大地が怖いのか少し近づくのを躊躇っている






澤村 「おい。1年生2人」



「「「 ビクゥゥ 」」」





澤村 「…本当ならボールを当てたお前たちが1番に駆け寄るべきだろう」




日向が涙目になっている




澤村 「…保健室で処置してもらう。話はその後だ 正座でもして待ってろ」




そう言って日向と影山を睨む






あー…練習には参加させるなってことね







大地はあなたを姫抱きして体育館を離れた





菅原 「えーと…まず…練習はさせれないね」



影山 「な、。」



田中 「大地さんは怒らせたらクッッソ怖ぇんだかんなぁぁ!? しかもあなたにボール当てやがって…」



菅原 「確実にお怒りモード。俺たちには手つけられないよ」



日向 「そんなぁ…」




菅原 「周りはよく見ないと…」










それにしてもあなたに当てちゃうなんて…不運な1年生だなぁ… 教頭とかに当てとけばまだマシだったのでは…

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