Like a bulldozer like a tank,like a soldier…
…?
あれ?この歌どっかで…TWICEのBDZだよね?
お母さんが私を起こすためにかけたとか?
今日は部活も休みだし、せっかくの休日、土曜日なんだから寝かせてよ〜。
そう思って寝返りをうったとき、どこかで聞いたことのある、声の高い関西弁が耳に入ってきた。
「ももりんそこ違うやろ〜!」
「あれ?うち間違ってたん?うそぉ…」
「あはははは!」
そして、これまたどこかで聞いたことのある、高笑いが耳に入ってくる。
「暑いね〜」
今度は少し小さくて、上品な声。
「な〜、ほんまに暑いわ〜」
え?暑い?私すごくちょうどいいんだけど…。
っていうか、この人たち誰!?
「な〜、そろそろ起こす〜?」
「そやな」
「…じゃあ朝からテンション高いさーたん起こしてきて」
「わかった!!」
…私を起こすの?まだ寝てたいよ〜。
妙に機嫌が良さそうな足音がどんどん近づいてくる。
誰なんだろ…。それよりここ、私の部屋じゃないっ?
こんなに女子力高くないよな、私。ぬいぐるみなんてあるはずがない。
他には何が…。
え!関西弁喋ったよね、私!
え…今のってもしかして…サナ!?TWICEのサナ!?
そうだよね!あの、こってこての関西弁!いつもの声の高さ!
それにまだ朝だってのにあのテンションの高さ!
サナしかいない!
それに…ももりん?みーたん?モモ、ミナ?
…どゆこと!ミサモ、揃ってるじゃん!
あぁ、モモだ…近くで見るともっとかわいいな…。
ちょっとボケっとした感じとかそのままだ…。
それより待たせてるんだから着替えなきゃ。
私はクローゼットを開ける。
そこには、今までの私とは似ても似つかないセンスの服、数。
あれっ?私、関西弁…?なんで?
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サナとモモが着ていたTシャツを思い出しながら無数にある服の中を漁った。
それは、白い生地にボア素材のピンクたぬきがなんとも言えない表情でいるものだった。
すごいチョイスだなと思いながらそういえばモモはデグリ(たぬき)と呼ばれていたことを思い出した。
なるほど、このチョイスはモモか。
サナに呼ばれて私は関西弁で返事をする。
…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。