まず私は、SixTONESに一度忠告をすることにした。
腐っても半年間マネジメントをして、花岡あなたとは貴重な休みも一緒に過ごしたのだ。少しくらいは同情する気持ちもある。
あの脳内カオスたちに警告の意味が理解できるかは分からないが、松村か髙地、田中あたりなら気付くかもしれない。
私からの最後の「お手伝い」だ。ここまでしてあげるだけでも感謝してほしい。
コトッ
スタッフ「あれ?SixTONESのマネージャーさんですよね?少し早くないですか?」
柑奈「あ、今日は収録に同行できないので先にやれることはやっておこうと思って。ニコッ」
スタッフ「そういうことでしたか。…それはお花の差し入れですか?」
柑奈「えぇ。一応、紅一点の花岡がいるので少しでも女性らしくなればと思って。今日は本当に1人なので。」
スタッフ「そうですか。花岡さん喜ばれると思いますよ。では!」
柑奈「よろしくお願いします。」
……やけに絡んでくるな。あの人、前からあんなんだから好きになれないんだよなぁ。
っと。まだやることは残ってるんだった。今、あんなスタッフに気を取られている時間はない。
昨日のうちに下準備をしておいた照明の仕上げに取り掛かる。
とはいえ、もうネジをギリギリまで緩めるだけなのだが。ここをしっかりしないとターゲットが真下に来る前に落ちてきてしまう。
柑奈「……できた。」
これで準備は完璧。あとは会社からの「花岡あなたが照明の落下により死亡または負傷した。」という知らせを待つだけ…。
柑奈「…さようなら。あなた。SixTONES。これであなた達は今まで通りの活動はできない。芸能人生の終わりね。」
……これで終わる。悠を狂わせたグループが終わる。たとえ幼少期であれ悠を惑わせた女は人生に幕を下ろす。
そうしたら。悠を迎えに行こう。そして、新しい人生を一緒に歩むんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。