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第1話

事の始まり
414
2021/05/26 05:59
それはいつもと変わらない、平凡な1日のはずだった。
高校2年生になりたてのあたしは、最近やっとクラスにも馴染んで来た頃だった。
お母さん
あやかー!ご飯よー!
夜、お母さんの呼ぶ声に、あたしは自分の部屋を出て、いい匂いのするダイニングへ向かった。
あやか
あやか
今日のご飯、なーに?
お母さん
うふふ♪あやかの大好きなオムライス!お母さん、がんばっちゃった!
あやか
あやか
やった!!早く食べよっ!
いつもと変わらない日常。
お父さんもちょうど仕事から帰ってきて、みんなで食卓を囲んでオムライスを食べていたときだった。
お父さんがお茶をゴクゴクと飲みほし、空っぽのコップをおいて、ゆっくり口を開いた。
お父さん
あやか。お父さんな、仕事の都合で県外に転勤しなきゃいけなくなった
あやか
あやか
えっ?
お父さん
ごめんな。あやか。引っ越ししなきゃいけない
お母さん
あやか……また今度、先生には私からお話するから
あやか
あやか
ちょっと待ってよ……。なにそれ?
お父さん
前から決まってたんだが…なかなか言えなくてな………
そりゃそうだ。
あたしが毎日、すごく楽しそうに学校の話をするんだもん。
そんなこと言えないよね。
あやか
あやか
いつ、引っ越すの?
お父さん
来月だ…………
あやか
あやか
イヤだよ………
お父さん
あやか………。ごめんな。こればっかりは仕方がないんだ
あやか
あやか
仕方なくない!なにそれ!?来月は、楽しみにしてた遠足があるのに!かすちゃんたちとおんなじ班になろーねって言ってたのに……
お母さん
あやか………
あたしはきっと、両親を困らせてる。
ワガママな娘だ。
でも、イヤだよ……。
あやか
あやか
だったら……一人暮らしする!
お父さん
は?
お母さん
え?
あやか
あやか
お姉ちゃんも、大学の近くで一人暮らししてるじゃん!あたしもする!
お母さん
あやか!何言ってるの!あなた、まだ高校生よ?ひとりでなんにもできないでしょ?
あやか
あやか
できるよ!お姉ちゃんにもできてるんだし、残りの1ヶ月で家事をこなせるようにがんばる!
たぶん、言っていることはめちゃくちゃ。
あやか
あやか
お願い!お父さん、お母さん!あたし、今の高校がいいの!!
手を合わせて、大きく頭をさげる。
お母さん
あなた………どうしましょう?
お父さん
はぁ〜。のあもあやかも、すぐに親から離れていってしまうんだな…。大切な娘が二人とも離れていくのは、こんなにも寂しいものなんだな。母さん
お母さん
そうね。知らない間に、のあなんかひとりで東京に出るくらい大人になっちゃって……。悲しいわね、子供の成長って
お父さん
引越し前に、ひさびさ家族で集まるか?また近いうちにのあに帰ってくるように言ってみよう
あやか
あやか
お父さん、ありがとう
お父さん
じゃあ、ひとり暮らし用のマンションでも探すか……。
お母さん
うふふ。あやか。明日から夕飯とみんなのお弁当はあなたが作ってね!
あやか
あやか
えっ
お母さん
花嫁修業みたいなものよ!一人暮らしするんだから、それくらいがんばりなさい!
こうして通称「花嫁修業」は、過酷なものだった……………。
_____________________
主
どうでした?
テオくん
テオくん
俺全然でてないやん
じんたん
じんたん
おれもー
主
あっ、ごめんちゃ
じんたん
じんたん
いつでるんだよー
主
もう少し待ってて…………
主
次回を期待してて!
テオくん
テオくん
信じるぞ?
主
了解しました(。•̀ᴗ-)و ̑̑✧

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