昼休みの教室。
同じクラスで仲良しのかすちゃんとねおちゃんと、ひとり暮らしについて語り合っていた。
あたし、こんないい友達がいて本当に良かった!
かすちゃんたちに見送られ、重たい足取りで教室をあとにした。
ドッサリと山積みになったノートが、あたしの目の前に置かれた。
うわっ!重たっ!
ゆっくりと職員室のドアの前まで来た。
が、ドアは閉まってる。
両手は塞がってるし………。
どうしよう………。
よし、足で開けよう!
__ガラッ!
ドアを開けると、目の前に誰かがいた。
足癖の悪いあたしを無言で見つめる、この男子。
同じクラスの宮川大聖。
カッチーン。
え?すいません。
この人のどこがかっこいいんですか?
ひど!同じクラスなのに!!
見た目はいいけど、性格は最悪じゃん!
そんなことを考えながら、階段を登り切ったときだった。
___ドンッ!
階段から、後ろ向きに落ちる!
すると、後頭部がポンッとかたいなにかにあたり、肩は誰かの手に包まれた。
……相変わらずの毒舌。
でも、助けてくれた。
後輩:すみません!大丈夫ですか!?
後輩:すいません!本当!!
うしろにいた宮川くんは、散らばってるノートを集め始めていた。
後輩:あ、ぼくも拾います!
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あたしのお姉ちゃんのすさまじさを知ってる二人はそのグミに口をつけることなく、
なんて言って、そのグミをくれた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。