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第3話

学校1モテ男のお願い
【side美月】

放課後──。
結城 春
結城 春
みーづっきちゃん
下駄箱で外靴に履き替えたとき、
結城くんがまたもや目の前に立ち塞がる。
泉沢 美月
泉沢 美月
……私、帰りたいんです。
そこどいてください
結城 春
結城 春
一緒に帰らない?
泉沢 美月
泉沢 美月
人の話、聞いてます?
結城 春
結城 春
あと、もし時間あるなら、
カラオケ行こうよ
(ダメだ、会話になってない)

私はため息をつくと、
結城くんの横をすり抜けて強行突破する。
結城 春
結城 春
ご、ごめん! ちょっと待って!
実は、美月ちゃんに相談があるんだ
背中にかけられた言葉に、私は足を止める。
泉沢 美月
泉沢 美月
相談?
(なぜ、私に?)

疑問に思いつつも、
相談を無下にはできず振り返る。

結城くんは、肩をすぼめていた。
結城 春
結城 春
そ、美月ちゃんしか頼れないんだ
***


駅前のカフェにやってきた私は、
結城くんと向き合うようにして
タピオカミルクティーを飲んでいる。

(結局、相談にのることになって
しまった……)

私は目の前でストローに口をつけている
結城くんをちらりと見る。

(イケメンって、なんでただ
タピオカドリンク飲んでるだけなのに、
かっこいいんだろう)
泉沢 美月
泉沢 美月
それで、相談っていうのは?
タピオカミルクティーを奢って
もらってしまったので、
私は真面目に話を聞くことにする。

結城 春
結城 春
あー……実は俺、学校で
女の子たちに追いかけ回されるのに
疲れちゃって
泉沢 美月
泉沢 美月
それ、自業自得では?
結城 春
結城 春
……美月ちゃんってさ、
この俺の顔見ても、
なんとも思わないわけ?
泉沢 美月
泉沢 美月
なんとも、とは?
結城 春
結城 春
見つめるだけで
ドキドキしちゃう♡とか、
春くんと付き合いたいっ……とか
女の子の真似をしながら尋ねてくる結城くんに、
私は半目になる。
泉沢 美月
泉沢 美月
ふざけてる?
結城 春
結城 春
いや、本気だよ
泉沢 美月
泉沢 美月
タピオカドリンク奢ってもらっといて
こんなこと言うのもあれなんだけど……
病院いったほうがいいよ
結城 春
結城 春
え?
泉沢 美月
泉沢 美月
頭を念入りに検査することを
お勧めするよ
結城 春
結城 春
ぶっ、美月ちゃんって誠に
似てるかも
(誠? ああ、宮田くんのことか。
それにしても、会話が進まないな)
泉沢 美月
泉沢 美月
それで、相談の続きは?
結城 春
結城 春
ああ、ごめんごめん。
だからね、女の子除けに俺の
彼女のふりしてくれないかなって
泉沢 美月
泉沢 美月
無理
即答して、ストローに口をつけると、
ズッとタピオカミルクティーを啜る。

(冗談じゃない。高校の女子全員を
敵に回すような真似、できるわけない)
結城 春
結城 春
そこをなんとか!
俺、普通の高校生活を送りたいんだ
(普通の、高校生活……)

ドクンッと胸が音を立てる。

(私と同じだ)

私も、普通の日常を送りたくて、
治療をやめた。

私と結城くんの事情は違うけど……。

気持ちは理解できなくはない。
泉沢 美月
泉沢 美月
……いいよ
(死ぬ前に人助け。
終わりしかない自分の人生に、
少しはなにかを残せるかも)

そう思って返事をしたのだが、
結城くんは予想外だったらしい。
結城 春
結城 春
本当に?
絶対、断られると思ってた
泉沢 美月
泉沢 美月
最初はね、そのつもりだった
結城 春
結城 春
じゃあ、なんで引き受けてくれる
気になったの?
泉沢 美月
泉沢 美月
言わない。知らなくてもあなたの
目的は達成できるわけだから、
どうでもいいでしょ?
結城 春
結城 春
それはそう、だけど……。
じゃ、じゃあ俺に次の彼女が
できるまでよろしく
泉沢 美月
泉沢 美月
それ、いつまでかかるかわからないし。
期限は1年。私が解消したいと思ったら解消する。それでもいい?
結城 春
結城 春
そ、それはもちろん
泉沢 美月
泉沢 美月
じゃ、そういうことでよろしく
私は彼に向って、手を差し伸べる。

すると結城くんは私に圧倒されながら、
戸惑いの表情で手を握ってきた。