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第4話

偽装彼女のはじまり
結城くんの偽装彼女になった次の日──。
結城 春
結城 春
おはよう、美月ちゃん
朝、家を出た途端に、
私の目の前に結城くんが現れる。

(そっか、一応カップルになったから、
一緒に登下校することになったんだっけ。
忘れてた……)
泉沢 美月
泉沢 美月
お、おはよう。結城くん。
昨日、1回送っただけで、
私の家を覚えたんだ。怖……
結城 春
結城 春
人をストーカーみたいに言わないでよ。
あと、結城じゃなくて、春だからな。
彼氏なんだから、苗字呼びなんて
余所余所しいだろ?
ふっと笑う結城く──春に、
私は躊躇いながらも名前を呼ぶ。
泉沢 美月
泉沢 美月
は、春……
結城 春
結城 春
……なんだろう、この気持ち
泉沢 美月
泉沢 美月
は?
結城 春
結城 春
名前なんて呼ばれ慣れてるはずなのに、
なんかこう、キュンときたというか……
両手で胸を押さえて、
なにやら感動している様子の春。
泉沢 美月
泉沢 美月
なに言ってるの?
(変な人)

私は首を傾げながら、彼のもとへ行く。

すると、背後で扉が開いた。
お母さん
お母さん
美月、薬忘れて──
お母さんは扉を開けた体勢のまま、
固まっている。

その視線は春に釘付けになっていた。
お母さん
お母さん
え、美月、その方は?
泉沢 美月
泉沢 美月
ああ、学校の同級──
同級生。
そう言おうとしたとき、
後ろから伸びてきた手に口を塞がれる。
結城 春
結城 春
彼氏です
(偽装じゃん! 
親にまで嘘つく必要ある!?)

私は無言で、春を睨む。

でも春はお母さんを見つめたまま、
みるみるうちに目を見開いた。

その視線を追うように、
お母さんを見ると……。
お母さん
お母さん
……っ、そう。
美月に彼氏が……
感動と悲しみがない交ぜになったような、
複雑な泣き笑い。

胸がきゅっと締めつけられて、
私は春の腕から出るとお母さんに駆け寄る。
泉沢 美月
泉沢 美月
お母さん、これありがとう
お母さんの手から薬を取ると、
状況が読めていない春を置いて歩き出す。

結城 春
結城 春
あ、待てって!
春はお母さんに一礼すると、
小走りで私に追いついた。
結城 春
結城 春
なあ、お母さんすごく感動してた
みたいだけど?
泉沢 美月
泉沢 美月
そーだね
結城 春
結城 春
それ、薬ってお母さん言って
たけど、やっぱ体調悪いの?
泉沢 美月
泉沢 美月
そ、頭痛もちなの
私は病気の痛みを抑える
薬が入った袋を見せる。
結城 春
結城 春
それ、市販のじゃないよね。
処方してもらってんの?
泉沢 美月
泉沢 美月
今どき珍しくないでしょ。
片頭痛の外来だってあるくらいだし
私はこれ以上、踏み込まれたくなくて、
それでしらを切り通すことにした。

***
ファンの女の子1
ファンの女の子1
春くん、おっはよー!
ファンの女の子2
ファンの女の子2
ねえねえ、放課後一緒に
カラオケ行こうよ
ファンの女の子3
ファンの女の子3
もう決定ね。春くんはうちらの
ものなんだから
下駄箱にやってくると、
春はすぐさま女子に囲まれる。

(やだ、この女子限定吸引器)

呆れて立ち尽くしていると、
春に肩を抱かれる。
結城 春
結城 春
ごめーん、みんな。
俺、彼女できたからしばらくは、
美月ちゃん一筋
それを聞いた女子たちは、
悲鳴をあげてその場に卒倒する。

(恐るべし、学校一のモテ男。
春ロス)
結城 春
結城 春
じゃ、行こっか
泉沢 美月
泉沢 美月
えっ、ちょっと!
私は春に連れられて、
そのまま図書室にやってくる。
泉沢 美月
泉沢 美月
授業、始まるんですけど?
結城 春
結城 春
そーだね。けど……
春は私の手を引いて、
図書室の隅までやってくると──。

私を本棚に押し付けるようにして、
迫ってくる。
結城 春
結城 春
そろそろ、恋人らしいこと。
美月ちゃんとしよっかなって