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第1話

絶望
42
2021/05/12 11:34
医者
大変言いにくいのですが、癌です
あぁ...しぬんだ。
何も出来ないまま……死ぬんだ
医者の話なんか、頭に入ってこない
拓磨ッ……ごめんねぇッ...ごめんねぇッ...
どうして母さんが泣いてるんだ
俺が泣きたいよ
知らないうちに入院が決まって、知らないうちに病室のベットの中にいた
ごめんねぇッ...そんな体で産んじゃってッ
拓磨
母さん、大丈夫だよ
拓磨
またいつもみたいに良くなるからさ
ごめんなさいッ...ごめんなさいッ...
俺は生まれつき体が弱くて、入退院を繰り返してた
ついに、癌か
拓磨
大丈夫だから
拓磨
母さんが謝ることない
拓磨
俺の方こそごめん。
拓磨
たくさん迷惑かけて、こんな体で生まれちゃって
拓磨
早く家に帰って達也の所行ってあげて、きっと寂しいから
ごめんねッ……
そう言って母さんは病室を出ていった
弟の達也が羨ましい
丈夫な体に産まれて
元気に育って
きっとすぐ母さんなんて達也しか構わなくなる
現に父さんだってそうだ
みんな元気ですくすく育ってく方が可愛いんだ
きっと……友達も。
拓磨
はぁ……
拓磨
また入院…
またしばらく学校に行けそうにないな
留年確定かな
拓磨
散歩しよ
ベットから起き上がって靴を履いて外に出た













--------キリトリ線--------
拓磨
ぁ。
いつもの特等席のベンチに人がいた
拓磨
......
女の子だ
肩より少し長くて、真っ黒くでつやつやな髪
自然と体が動いてた
拓磨
あの、隣座ってもいいですか?
いいですよ!
私、まなって言います!愛って書いてまなです!
拓磨
えっと、拓磨です
突然名乗り出したからびっくりした
なんでここにいるの?
拓磨
ん?癌で入院
そっかぁ
私、今日の記憶を保てないんです
拓磨
うん…
親は、事故にあって死にました。偶然私が生き残っちゃったんです
そしたらなんかよくわからない記憶喪失
拓磨
大変だね
それは拓磨さんもおんなじじゃないですか?
拓磨
そう、かも。
拓磨
俺さ、親に愛想つかれるかも。
拓磨
友達4人とバンド組んでるんだけど、その4人ともなんか距離がある気がしてどんどん遠い存在になってく
拓磨
どうしたらいいかわかんないや
大丈夫ですよニコッ
拓磨
え?
愛想をつかされたって遠い存在になったって
私が拓磨さんの味方にいます
記憶がなくなったって
拓磨
そっか、ありがと
私の病室、106号室です
拓磨
俺の病室501号室
拓磨
覚えてたら来てね
医者
あ、拓磨くんいた
拓磨
勝手に出てきてすみませんすぐに戻ります
医者
愛ちゃん、拓磨くんと仲良くなったの?
はい!ニコッ
眩しい笑顔
いいな。

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