朝起きると体が重かった
ベットの横にある体温計を脇に刺してじっと待つ
ピピピッと音が鳴って見てみると
夕方まで下がるかな
また眠りについた
--------キリトリ線--------
目の前がグラグラする
さっきより熱...あがってるな...
また体温計を脇に刺してじっとする
音が鳴って見ると
40.0だった
スマホを手に取って先生に電話をかける
ブツっと電話が切れた
ベットから起き上がってリビングに行く
でもリビングのドアを開けると体が倒れた
そのまま眠った
--------キリトリ線--------
死ぬのかな
少し大きめのメモ帳とペンを貸してくれた
ゆっくり起き上がってテーブルがないから足の上で書く
数時間かけて書いた手紙は枕の下に隠しておいた
それからちょっとづつ回復していって退院は無理だけど普通の病棟に移れた
でも、愛と一緒の病室にはなれなかった
もう抗がん剤治療は無意味だと言われたけど諦めなかった
もう諦めないって決めたから
何かしたい
なんだか複雑だな
このもうちょっとは
死ぬまでなのか
治るまでか
俺には分からない
--------キリトリ線--------
車椅子に乗って押してもらう
病院の外に出ると愛が居た
何気に先生が1番楽しみにしてたのかな
火がついてるロウソクで花火に火をつける
最後だと思うと悲しくなるだけだ
どんどん花火を消化していった
先生の線香花火が落ちる
線香花火が無くなるまで勝負し続けた
手を振ってお別れする
ポタポタッ...
鼻血が出てきて鼻を押さえる
ポケットティッシュを全部使っても鼻血は止まらなかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。