あれから3日
やっぱり愛ちゃんには覚えてもらえてない
でも愛ちゃんの為に生きる
生きて欲しいって言ってくれたから
直ぐに袋を手に取って吐く
やっぱり辛い
どんどん細くなってく手足にほとんど起きれなくなった
…なんでだろ。
上手くいかない
カーテンを閉めて布団の中に入る
--------キリトリ線--------
寝てた…
グスッ…ヒクッ……
そっとカーテンを開ける
ふらっとよろめきながら愛ちゃんの方へ行く
そしてぎゅっと抱きしめる
愛ちゃんは家も、両親もいない。
叶わないから泣いてるんだ。
背中をさすって言う
絶対回復してやる。
愛ちゃんの為に
--------キリトリ線--------
あれから10日、願った通り回復してきた
良かったッ…良かったッ…!
先生がきっと何か言ったんだろうけど俺には聞こえなかった
ただ今の現状が嬉しくて
病室について少しズレたニット帽を直す
ガラガラッ
病室のベットに座って外を見ている愛ちゃんに声をかける
ゆっくり向いてくる愛ちゃんにこう言う
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。