第2話

始まる思い
49
2021/05/14 12:02
拓磨
ん……
朝だ……
まだ生きてる
拓磨
ん〜……
ぐーっと背伸びする
愛ちゃん、覚えてるかな
立ち上がって窓の外を見る
母さんの車がないか見る
拓磨
あった...
もうちょっとで来てくれるかな
元気でいなきゃ。
ガラガラ
あら、起きてたの?
拓磨
うん
達也
お兄ちゃん!
拓磨
...おはよ、達也
達也
おはよ!
達也と来たんだ
拓磨
学校楽しい?
達也
うん!友達いーっぱいできた!
拓磨
良かったねニコッ
いいな
友達...いいな。
達也、そろそろ行かないと学校遅れるよ
達也
うん!
達也
お兄ちゃんまたね!
拓磨
またね
母さん達と入れ違いで担当の先生が入ってくる
医者
拓磨くん、病室移ろっか
拓磨
え?なんでですか?
医者
特別に愛ちゃんの病室にね
拓磨
……
まだ荷物はカバンから出てないからカバンを持つ
医者
愛ちゃんが待つ105号室へ












--------キリトリ線--------
あ、初めまして
病室に入って目が会うと昨日とは全然雰囲気が違った
元気がなかった
拓磨
初めまして...
愛って言います
拓磨
拓磨です
医者
今日から一緒の病室だよ
よろしくお願いします
拓磨
よろしくお願いします……
愛ちゃんみたいに俺は誰の記憶にも残らないのかな
きっと明日には母さんは来なくなる。
達也しかもう見てないから
あんなに早く帰ったの初めてだ
拓磨くん?
拓磨
あ、ごめんね
これからよろしくねニコッ
拓磨
よろしくね
いつの間にか先生はいなくなってた
ベットの中に入って友達4人のバンドのグループを開く
まだしばらく入院することは言ってない
病気の名前だけは伏せておこう
ただまた入院することになったってだけでいい
そしたらみんなまたかよって笑ってくれるから
また治るって言ってくれるから
どうしたの?悲しそうな顔して
拓磨
えっ?してないよ?
ウソ、してる
何かあったの?言って欲しいな
拓磨
…人って簡単に変わっちゃうよね
え?
拓磨
友達にほんとのこと言うべきかなッ
拓磨
もう友達なのかもわからなくなってきたッ
…まなにはよくわからないけど友達には本当の事を言った方がいいよ
本心も
ずっと隠したまんまだから友達なのかわからなくなるんだよ
拓磨
そっかッ…ありがとッ
さっきまで打ってた文を消してまた新しく文字を打ってく
「俺、癌になった。しばらく学校にいけそうにない。いつもごめんな毎回大事な時に入院して1回も役に立てなくて。だからバンド抜けるよ。新しい仲間でも探して、俺より絶対にいいひといるから。無理にお見舞いに来なくていいから。また学校にいけるようになったらよろしく。弱い自分でごめん」
拓磨
これでいいよなッ…
自分がこうした方がいいって思ったんならそれは正解だよ
拓磨
ありがとッ
拓磨
俺死ぬの怖いッ……
大丈夫、大丈夫だよ
ぎゅっと抱きしめてくれた
拓磨
死にたくないッ……死にたくないよッ……まだやりたいことあるのにッ!
拓磨
みんなと楽しく楽器弾いてッ…何も気にせずにたくさん食べてッ……気軽に走りたかったッ…!
拓磨
見捨てられたくなかったッ…誰かの中に残りたかったッ
叶わないって泣くより、叶うって笑った方が幸せだよ
愛ちゃんの心の中に残りたい。どんなに記憶がなくなったって
きっと愛ちゃんの中に残れたら俺はもう、死んでいい
拓磨
俺、愛ちゃんの心の中に残るように頑張るッ…
…ありがとニコッ

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