ミナside
そう言ってマスクと帽子をつけさせるとあなたは悲しそうな顔をした。
そう言うと悲しそうな顔を押し殺してあなたは笑った。
まだこんなに幼いのに、自由を奪われてそれでもアイドルだからと自分の気持ちを押し殺すあなたのすがたを見ると胸が苦しくなる。
両親もその姿を見ていたようで、私がここに帰ってきて何をしようとしているのか伝わったと思う。
自宅に着くと私たちを部屋へと案内してくれた。
以前使っていた兄のベッドを私の部屋に運んで私たちが2人で過ごせる環境を整えてくれていた。
あなたの大好きなクマのぬいぐるみもベッド脇には置かれている。
そう言って母があなたに微笑むとあなたもだいぶ緊張が解けて慣れたようで"はいっ!!"と言って幸せそうに笑った。
私が荷解きを始めようとすると母が家の中を案内すると言い出した。
最初はついて行こうかと思ったけれどあなたがだいぶうちとけて2人でも平気そうだったので2人で行ってもらうことにした。
キャリーケースを開けると1番に目に入ったのはレモンキャンディー。
私は包み紙を開けて光に透かしながらこれからどうしようかとベッドに寝転んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。