健人side
俺は中島健人。
今年高校2年になり、幼馴染の菊池と親友のしげと同じクラスになることができ、順風満帆な日々を過ごしていた。
菊池とは幼馴染と言っても、周りから見れば常に一緒にいることは無く、時々お昼を食べたり一緒に帰るくらいで…寧ろしげの方が一緒にいると思うくらいのそんな仲。
昔からタイプが違くて、菊池はいつもクラスの中心でキラキラしてる。反対に俺は地味な方でパッとしない。
それでも俺は普通に仲がいいと思っている。
でも最近どうもよそよそしくて、お昼も一緒に食べられていない。
俺と勝利は中学時代に同じ部活で仲が良かった。
勝利はこうして同じ高校に入学し、勝利を通じて聡とマリウスと仲良くなり、俺・勝利・聡・マリウス・そして時々菊池の5人でお昼を食べている。
菊池は基本的に同じクラスの樹くんと食べることが多くて、だいたいこうやって4人のことの方が多い。
だけど前はもっと一緒に食べる回数が多かった気がする。
風磨side
俺は菊池風磨。
単刀直入に言おう。最近俺には悩みがある。
折角挨拶をしてくれたのに、ちょっと素っ気なくしてしまいまた後悔する。
そう俺菊池風磨は、幼馴染の中島健人に絶賛片思い中です。
話しかけてくれる事が嬉しいはずなのに、恥ずかしさが混ざり、なんとも言えない感じに返事をしてしまう。
だから最近どうも結果的に避ける感じで、少しずつ疎遠になり始めているので、そろそろ男を見せる時だと心に誓った。
そんな光景を見るといつも憧れるんだ。
俺も中島とそんな風に帰りたい。
堂々とやってのける大野さんは凄いといつも思っている。
そしてその度に翔さんは愛されてるなって思う。あの2人は本当にお似合いだ。
そんな他愛もない会話をしていると、先に教室にいた中島がしげこと重岡大毅と仲良く話している。
『良いよな…俺もあんな仲良く話せたら良いんだけど』
あの2人を見ているとどうしても嫉妬心が湧く。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。