第35話

小瀧side
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2018/03/30 04:35
桐山
何しに来たん
照史君はお茶を出してくれると、座りもせず、冷たくそう言った。

場の空気が、さっきより緊張したのが分かった。
中間
照史、耳の調子どう?
柔らかく聞く淳太君を、照史君が睨んだ。
桐山
関係ないやん。別にさ、俺の耳のことなんかどうでもええやろ?聞こえようが聞こえまいが、みんなには関係ない
中間
関係ないことないやろ?照史、ちゃんと話そう?このままじゃ照史が壊れてまう
そう言って淳太君が伸ばした腕を、照史君は振り払った。

桐山
はよ話すことあるんやったら言えや!俺を責めるために来たんやろ!?やったらはよ言いたいこと言って、帰ってや!
投げ捨てるように言った照史君に、濱ちゃんが立ち上がるのが分かって、嫌な予感がした。


僕と淳太君が止める前に、濱ちゃんは照史君の胸ぐら掴んでた。


濱田
ほんま何言うてんねん!元はと言えば、お前がいらんこと言わんかったら済んだ話やろ!それなのになんやねん!心配してるのに関係ないとか、アホなん!?

ほとんど息継ぎもせずにそう言い放った濱ちゃんの言葉が終わるのと同時に、照史君が濱ちゃんの腕を思いっきり振り払った。


桐山
もう帰ってや!!俺のせいや!全部俺のせいやねん!分かってるわ!!やから辞めよう思ってんねやろ!!
そう叫ぶ照史君は、本当に苦しそうで、目から涙があふれてた。


あの時のことが、よぎる。


気付いたら、照史君に抱き着いてた。

小瀧
辞めるってなに!?辞めたらあかんって言うたやん!照史君、照史君のせいだけとちゃう!みんな悪いねん!濱ちゃんやって、ほんまに照史君のこと心配してるねんで!
そう言うと、照史君は僕を無理やり離そうとした。
桐山
もう俺は必要ないねん!!お願いやから帰ってや!!
そう言ったのと同時に突き放された僕は、押されて淳太君に支えられた。


小瀧
こんなの・・照史君ちゃうよ・・

泣きそうになりながら言うと、照史君はまた、ぽろっと涙をこぼした。


桐山
ええから帰れ!!




ひときわ大きな声で言われて、僕らは家から出た。



照史君、


照史君は間違ってるよ。







帰り道、お互い何も話さなくて、

涙を止められない僕の背中を、淳太君がさすってくれて、


「俺ってあほやな」って濱ちゃんはずっと落ち込んでた。

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