レッスンをかなり休んでしまった。
体の具合が悪いわけではない。
ああ、これってずる休みってやつか。
でも、行く気になれなかった。
淳太君とはユニットで嫌でも一緒におらなあかんけど、
その時の気まずい雰囲気。
濱ちゃんや流星の、何か言いたげな表情。
とにかくあの空気が耐えられない。
神ちゃんの冷たい視線も、ずっと頭から離れない。
しげは、どうしてるんかな。
ちゃんと謝らなきゃって頭では分かってるねん。
でも、
許してくれるはずがない。
先週、辞表を出しに行った。
でも、受け取ってくれなかった。
ー「そんな簡単に諦めるなよ。まだデビューすらしてないのに」
解散考えてるって裏では言ってるのに、僕にはそういう。
一体どっちがほんまの言葉なんやろうってわけわからんくなった。
所詮、僕らとほとんど関わったこともない人に、僕らのことが、僕のことが分かるはずがない。
あの時発してしまった言葉が、
それまでに作ってしまった溝が、
「ごめん」
なんて一言であっさり終わるはずないねん。
濱ちゃんにも辞めろって言われたし、
これ以上頑張っても1人じゃ何もできひんし、
それに、
俺はこれからみんなとうまくやっていける自信もないし。
俺のこと必要としてる人なんてどこにもおらへん。
でも・・
これからどうしよう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!