第49話
神山side
ずっと、
照史君のことが、
淳太君のことが、
許せなかった。
しげのことをあからさまに避けて、きっと本人には気付かれへんやろうと思ってたんやろうけど、
しげが気付いてて、寂しそうなのも分かってた。
小学生ちゃうのに、なんでそんなことするねん、って腹が立った。
ずっと、誰よりも長いこと一緒におるんやから分かる。
しげは、いつだって僕らの雰囲気をよくしようとしてた。
みんなが笑顔でいてほしい。
そんな願いが空回りすることだってあったけど、その気持ちは変わらない。
きっと誰よりも、僕らのことを考えてくれてたしげやのに。
ーおらんくなればええ
最低やと思った。
そんなことを言った人を、なんでしげは許せてんねん。
本人じゃない俺が許せてないって言うのに。
しげのために、怒ってやってんのに。
でも、
しげの言葉を聞いた時、
照史君の涙を見たとき、
分けわからんくなって、
どうしたらええんか分からんくなった。
酷い言葉を言ったのは、
僕やって同じ。
強引にしげの隣に座らされて、
「神ちゃんがほんまに言いたいこと、全部言っちゃえ!ただし、落ち着いてやで」
って、ちょっと笑いながら言うしげに促されるように、口を開いた。