久しぶりの関西ジュニアみんなで出れた番組の収録後、スタッフさんにそう言われた。
事務所の上の人も関西ジュニアをあんまり良く評価してないらしく、最近かなりいろいろと言わることも多くて、関西ジュニアのマネージャーさんも頭を抱えてた。
スタッフさんや、いろんな人にアドバイスを聞いたけど、「このままじゃだめなのは確か。何をやるべきかは自分たちで分かってるだろ?」そう言われた。
いくら考えても答えが出なかった。
やれるすべてを全員が出し切って、これ以上一体何をやればいいと言うんやろう。
駄目だとは言われるけど、解決策は誰も教えてくれなかった。
スタッフさんから、年上の僕と淳太君だけ残されていろいろ言われたもんやから、楽屋に帰るともうみんな帰ってた。
淳太君はこの後も仕事があるらしく急いで走って行って、1人ゆっくり廊下を歩く。
自販機の前を通ろうとした時、スーツを着た事務所の人らしき人が話してて、僕は慌てて隠れた。
会ったら、またなんか言われそうやし。
そんなことを、ちょっと笑いながら、つまらなそうに話してた。
慌てて僕は出口へ走った。
走って、走って、
走って
でも、頭の中から消えてくれない言葉と冷たい笑い声。
僕は、
しげの夢を叶えてあげたい。
こんな時に、解散なんてさせるもんか。
でも、
こんな無力な僕に、一体何ができるというんだろう。
ユニットが解散するもしないのも、
関西ジュニアがこれからどうなっていくかも、
結局は本人たちがどうこうできる問題ではない。
それが分かってるから余計にもどかしい。
とにかく、
このままじゃあかんねん。
何とかせな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!