あの後、家でみんなを見送るのは寂しくて、駅まで一緒について行くことにした。
帰り道、「もう秋やなぁ」なんて話しながら、
「今年は花火せんかった!」
「来年は一緒にやろうや」
なんて盛り上がった。
駅に着くと、濱ちゃんが胸張ってそう言って、「頼んだで~」ってみんなで笑う。
流星は帰る方向が分からなくなって淳太君に聞きまくってる。
大丈夫なんか、あいつ。
結局、濱ちゃんと望と流星、照史君と淳太君と神ちゃんで別れた。
みんなが2つの方向に別れながら手を振ってくれて、両手で振り返した。
みんなは電車に乗っても手を振り続けて、なんか話しながら笑ってた。
電車が発車するのと同時に、小瀧が変顔してて、僕と同じタイミングで濱ちゃんも爆笑してた。
結局小瀧変顔のまま電車行っちゃったし。
変な別れ方(笑)
やけど、これが、僕ららしい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!