第43話

桐山side
1,222
2018/03/30 18:47
先生
・・・大毅君は、最近変わったことない?
そう聞かれて、え?と顔をあげる。
先生
いや、最近元気なくてね。大毅君はあんなやからいつも明るく振る舞ってるけど、なんか無理して笑ってること多いから。
ほら、さっきも。
そう言われて頷く。
先生
病気のせいじゃないとしたら、なんか抱えてるんかなって。
「ごめんな、こんなこと聞いて。」そう言う先生に、首を横に振った。


桐山
俺のせいや・・


小さくつぶやいた声は、幸い先生には聞こえなかったようだ。


先生
大毅君は優しいし、なんでも1人で抱え込むからなぁ。ちょっと心配やったんや。
一緒にお仕事してる友達ならなんか知ってるかなって思って。
「ごめんな」と謝られて、僕は部屋を後にした。



ー「しげやっていろいろ言われたん知らんの!?」


今になって神ちゃんの言葉がよぎった。


しんどかったり、痛かったりする病気。
僕には想像もつかへん、辛い病気。

ストレスで耳が聞こえへんくなってしまうほど嫌やった、痛い言葉。

それでも、しげは笑顔やった。



そういえば、こんなことになる前から、

俺、しげの弱音とか、聞いたことない。


もしかしたら、


しげのほんまの気持ちも、


聞いたことないのかもしれへん。

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