第9話

重岡side
1,290
2018/03/23 14:57
「」
望!!
神ちゃんと流星の声が響く。


目の前にいる望は、過呼吸を起こしていた。




重岡
・・俺・・
ただ、


僕はただ、

望を笑かせたかっただけ。




ただ、笑ってほしかっただけ。




がたがたと震える両手。




苦しそうに息をする望を前に、背中をさすってあげられないどころか、怖くて後ろに後ろに、下がってしまう。


涙が溢れそうで、頭の中が混乱してて、震える手をおさえるように握りしめた。




ただ、「濱ちゃん呼ばなきゃ!」と慌ただしく部屋を出ていく神ちゃんと、

背中を慌ててさすっている流星を、





見てるだけしかできなかった。

プリ小説オーディオドラマ